2019年10月12日(土)

障スポ中止 選手団、無念の帰路 「せめて会場見たかった」

全国障害者スポーツ大会が中止となり、地元に帰るため、ホームに向かう選手団=11日午前11時ごろ、JR水戸駅、鹿嶋栄寿撮影
全国障害者スポーツ大会が中止となり、地元に帰るため、ホームに向かう選手団=11日午前11時ごろ、JR水戸駅、鹿嶋栄寿撮影

台風19号接近に伴う第19回全国障害者スポーツ大会の中止決定から一夜明けた11日、水戸市宮町のJR水戸駅では帰路に就く全国選手団でごった返した。無念のとんぼ返りに、選手らから「せめて会場を見たかった」などと惜しむ声があふれた。

午前9時すぎ、改札口前には、電車を待つジャージー姿の選手団で混雑した。陸上に出場予定だった鳥取の前島浩二さん(33)は「10回以上大会に参加したが、来てすぐ帰るのは初めて。ちょっと落ち込んだが仕方ない」と苦笑した。卓球監督の安養寺立志さん(70)は「現地を出発してから中止の連絡をもらった。そこは早く決めてほしかった」と首を振った。ただ「到着してサポートしてくれた人などから人情の厚さを感じた。今回どこも見られなかったのでまた水戸には来たい」と名残惜しそうだった。

出発前にお土産を買ったり、水戸黄門像などの前で記念撮影したりする姿も見られた。バレーボールに出場予定だった東京の森本叶子さん(20)は土産袋を手に「納豆が好きなので納豆工場とか見学したかったな」と残念そう。選手たちと記念撮影していた岩手の陸上コーチ、伊藤篤司さん(37)は「会場を一目でも見たかった」とつぶやいた。

帰りの切符を取ることができ、ホッとした表情を見せる人も多かった。岡山市障害福祉課の丸山翔平さん(27)は「どうにか帰る準備ができて安心した。台風前に安全に送り届けられそうだ」と話した。

午前11時20分ごろ、同駅ホームに、東京に向かう上り臨時列車が到着した。選手や監督が次々と改札を通る中、県国体・障害者スポーツ大会の石田奈緒子局長が一人一人に頭を下げて見送った。

2年後に大会開催を控える三重県の関係者が視察に訪れていた。同県全国障害者スポーツ大会課の中村文武さん(40)は「(同じことが)うちの大会で起きたらどうすればいいのか。帰って検証し、対応策を検討したい」と険しい表情で語った。(成田愛)



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