2019年10月16日(水)

台風被害 施設損傷、倒壊で打撃

鹿行地域 資材や建設業者が不足

「パイプハウスが壊れたのは初めて」と話す菅谷衛さん=鉾田市汲上
「パイプハウスが壊れたのは初めて」と話す菅谷衛さん=鉾田市汲上

台風15号の発生から1カ月が過ぎた。さらに台風19号が東日本を縦断し、県内各地で爪痕を残した。台風15号では鉾田市や行方市、神栖市など鹿行地方を中心に大きな被害をもたらし、農業被害額は3市だけで45億円と県内全体の7割を超える。強風で被害を受けた施設園芸の農業施設では資材不足や建設業者の手が足りていない。施設園芸が盛んな鉾田市では、来年の生産に間に合わない可能性があり、農家は不安な日々を送る。


鉾田市汲上の花き農家、菅谷衛さん(72)は妻と息子夫婦の4人で花壇苗を契約栽培する。約5千平方メートルの敷地に立つパイプハウスの半分で骨組みが損傷し使えなくなった。出荷が優先のため片付けに手が回らず、敷地内には飛ばされたドアやパイプが横たわる。施設園芸を始めて50年。「こんなにひどいのは初めて」と話す。

暖房設備が入った育苗用の2棟のうち1棟が、完全に潰れた隣の施設の重みで損壊。業者にはパイプが用意できるのは年明けになるかもしれないと言われている。「12月には建て直さないと品目の多い春の仕事ができない」。暖房設備を残った施設に移しても補えず、年間の生産量は半減を見込む。建て替えの業者は早くても工事着手は3〜4月といい、「待っていられないから自分でやるしかない。つらいよ」と嘆く。それでも後継者の存在は励みだ。「張り合いがある。それに、契約があるからやめられない」と前を見据える。

JAほこたの飯島正一理事によると、同市大洋地区は後継者がいる農家が少なく、高齢者の農業離れを懸念している。台風被害をきっかけに農業をやめるか、ニンジンやサツマイモなどの露地野菜への転向を考える人も出てきているという。今回の台風による損壊状況についても「築2〜3年のパイプハウスの損傷が激しい」と指摘。被覆材が丈夫で破れないことが、逆に風圧を受けて骨組みの損傷につながってしまったと見ている。

同市箕輪の県農業経営士会副会長、畠長弘さん(59)は自身もベビーリーフの施設が被害を受けたが、国の産地パワーアップ事業を活用して導入した強化ハウスは無事だったという。「気候変動による災害に負けないハウスが必要」とし、「防風林の利用や地形を考慮して建てることを検討するなど災害対策の課題が表れた」と話した。(大貫璃未)



次の記事:列車にはねられ14歳女子中学生死亡 常磐線高浜駅構内

全国・世界のニュース

2020 年
 8 月 9 日 (日)

メニュー
投稿・読者参加
サービス