2019年10月16日(水)

台風19号 農地で排水急ぐ ようやく自宅に

水戸岩根 泥まみれ家財搬出

いまだに水で覆われた畑。ポンプ車で藤井川への排水作業が進められた=15日午後12時58分、水戸市飯富町、菊地克仁撮影
いまだに水で覆われた畑。ポンプ車で藤井川への排水作業が進められた=15日午後12時58分、水戸市飯富町、菊地克仁撮影

那珂川やその支流の氾濫で、広い範囲が浸水した水戸市西部。河川に挟まれた岩根町を中心とする一部地域では、15日も浸水状態が続き、ポンプ車による排水作業が続いた。一方、被害から3日目にして、ようやく自宅に戻れた住民らは、泥にまみれた家財道具を運び出す作業に追われた。


那珂川と支流の藤井川、西田川に挟まれた岩根町は、農地を中心とする広い範囲で水没した状態が続いた。現状を確認しようと、生産者らが訪れ、端末で撮影する姿が見られた。

「早く(排水)してくれ」。ネギなどを作っていた農地が水に浸った男性は、通り過ぎるポンプ車に向け悲痛な叫び声を上げた。

この日は岩根、飯富の両町で、国土交通省のポンプ車約10台が排水作業を行った。水没農地にホースを投入していた担当者は「この量だと、遅くても(16日の)朝には完了できるのでは」と説明した。

一方、岩根町の住宅が軒を連ねるエリアは15日朝、ほぼ浸水状態を解消。ようやく自宅に入ることができた住民は、泥にまみれた家財道具の運び出しや室内の清掃作業などに追われた。

「1階に置いておいた物は全て駄目になった」。戸崎勉さん(68)は1階部分が全て浸水。「冷蔵庫もテレビも全て泥まみれ。買い替えるとなると、どれだけ出費がかさむのか」。先の生活再建に思いを巡らし、肩を落とした。

平屋住宅の床上約1・8メートルまで浸水したという戸崎清治さん(82)宅では、親類など約10人が畳やテーブルなどを運び出していた。「やっと片付けに取り掛かれたが、住めるようになるには1カ月くらいかかるだろう」と、不安げな様子だった。

同町と藤井町の浸水被害は、両町を流れる藤井川の3カ所が決壊したのが原因とみられる。清治さんは「那珂川の堤防は強固になったが、増水すれば藤井川に逆流してくる。結局、藤井川の堤防も強くしないと、水害防止にはつながらない」と、堤防改修の必要性を説いた。

同町内では消防隊員が一軒一軒を回り、安否確認を実施。確認できた家には黄色いテープが玄関先に巻き付けられた。また市の広報車が「ごみは市役所で回収します。道路沿いに出してください」とアナウンスして巡回した。(前島智仁、清水英彦)

水が引いて被害があらわになった国道123号。片側の車線が崩れ落ちていた=14日午後2時24分、水戸市飯富町、菊地克仁撮影
水が引いて被害があらわになった国道123号。片側の車線が崩れ落ちていた=14日午後2時24分、水戸市飯富町、菊地克仁撮影


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