2019年10月22日(火)

台風19号 J2水戸 ホームタウン被災 昇格争い&ボランティア活動

町田戦の試合前、募金活動を行う本間幸司(右)ら=20日、ケーズデンキスタジアム水戸
町田戦の試合前、募金活動を行う本間幸司(右)ら=20日、ケーズデンキスタジアム水戸

■「勇気 届けたい」
台風19号で水戸市や城里町などホームタウンが大きな浸水被害に遭ったサッカーJ2水戸ホーリーホックが、激しいJ1昇格争いを繰り広げている。21日時点でJ1参入プレーオフ圏内の暫定6位。選手たちは「少しでも良いニュースを届けられたら」と被災地に思いを寄せ、リーグ終盤戦とボランティア活動の両方にまい進している。

■良いニュースを
台風19号の影響で14日に順延となった敵地での柏戦で、水戸は3-2と逆転勝利を収めた。強豪柏に初めて勝ってクラブ通算250勝を飾った上、現行制度で過去最多勝ち点を更新する記録ずくめの1勝だった。

試合後、長谷部茂利監督(48)は「試合前、台風19号の被害に遭われた方々に少しでも良いニュースを届けようと選手たちに話をした。それを体現してくれた」と話した。

今季リーグ戦初出場で1得点1アシストと大活躍したDF浜崎拓磨(26)は「練習場に行く途中の道が冠水し、お世話になっていたご飯屋さんも浸水してしまった。(今季初出場の)自分が活躍することで、多くの人に勇気を与えられるという思いもあった」と胸中を明かした。

■人ごとではない
劇的勝利から一夜明けた15日、日立市出身でクラブ在籍21年目のベテランGK本間幸司(42)が自主的にボランティア活動を行った。水戸市在住の本間は「娘が通う学校にも避難された方がおり、人ごとではない。近所の住民の一人として手伝わせていただいた」と話す。

那珂川の氾濫で浸水被害に遭った住宅の中から冷蔵庫や棚を運び出した。「大変なときにもかかわらず、『試合頑張って。(家が)きれいになったら観戦に行くね』と言ってもらった。そういう方々に少しでも良いニュースを届けたい」と力を込めた。

筑波大を経て水戸、大宮などでプレーしたクラブのスタッフ、冨田大介さん(42)も16日、水戸市岩根町でボランティア活動に参加した。泥にまみれた家財を運び出し、「今まで使っていた思い入れのある物だったと思う。(家主は)喪失感があったのではないか」と被災者の心中を思いやった。

■戦う姿で元気に
17日にJR水戸駅で、20日には台風通過後初のホーム試合となった町田戦で、選手たちは試合前に募金活動を行った。町田戦で募金に協力した水戸市在住の伊垣悦子さんは、常陸大宮市内の実家が浸水被害に遭ったという。伊垣さんは「選手たちが募金活動をしてくれてうれしかった」とし、J1昇格に向け懸命に戦うチームについて「そういう姿は見ていて元気になる。力の限り頑張ってほしい」と笑顔で話した。

町田戦は1-1の引き分け。勝ち点1を積み上げJ1参入プレーオフ圏内をキープした。今年創設25周年を迎えた水戸は悲願のJ1初昇格を目指す。

今季は残り5試合。町田戦後、細川淳矢主将(35)は「被災された方々がつらいことを少しでも忘れる時間ができればうれしい。J1に昇格して、シーズンの最後、一緒に喜びたい」と言葉に力を込めた。(藤谷俊介)

★J1昇格の条件
J2の1、2位は自動昇格。3〜6位はJ1参入プレーオフを行う。そこで勝ち上がったチームがJ1で下から3番目に当たる16位とJ1参入プレーオフ決定戦を行い、勝った場合のみ昇格できる。



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