2019年10月27日(日)

《記者コラム:双眼鏡》運転再開へ頑張れ水郡線

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約30年前。少し短めの学ランを着たあのころの私は、JR水郡線で高校に通っていた。自宅から約10分、自転車のペダルをこいで、久慈川に架かる橋を渡って毎朝駅へと急いだ。

大子町から通う同級生の眠たげな顔を乗せ、朱色の車両(キハ47?)がもう待っている。今思えばだいぶレトロなデザイン。2、3車両しかなかった。なんとか座席を確保してしばらく揺られると、いつもの駅で他校のあの子が乗車してくる。見ていないふりをしながら確認していた。携帯電話もない時代。携帯型プレーヤーのイヤホンからは、ヘビーメタルやレゲエが流れていた。3年間、毎日片道1時間かけてゴトゴトと水郡線が私を運んでくれた。

台風19号で水郡線の鉄橋が流失した。現在、県内では常陸大宮駅以北で運休。甘酸っぱくもほろ苦い、私の青春の思い出を乗せた水郡線(今はもうあのレトロな車両ではないが)は一部区間で走っていない。常陸大宮-西金駅間は11月1日に運転再開予定だが、それ以北の復旧は少なくとも1年以上かかるという。これからの観光シーズン、紅葉に染まる山々の中を駆け抜ける水郡線は今年見られない。

9月定例県議会で、県北地域振興策として水郡線で定期的にSLを走らせてはどうかと、地元県議が県執行部に熱い思いを語っていたばかりだった。通勤通学の足として、観光振興の足掛かりとして、水郡線は今も昔も奥久慈地方の未来を背負って走り続けている。乗客の数だけ思い出の数もある。待っている人たちがたくさんいる。運転再開へ、頑張れ水郡線!(報道部・三次豪)



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