2019年10月30日(水)

台風19号 温泉で一息「疲れ取れる」 常陸大宮、11月15日まで無料

避難、片付け…先見えず

日帰り温泉施設「四季彩館」の受付で入浴の手続きをする被災者ら=常陸大宮市長倉
日帰り温泉施設「四季彩館」の受付で入浴の手続きをする被災者ら=常陸大宮市長倉

台風19号で被災した市民らを対象に、常陸大宮市が無料で開放している日帰り温泉・温浴施設3カ所が、「後片付けの疲れが取れる」などと喜ばれている。自宅で入浴できない市民がまだいるため、市は開放期間を31日から11月15日まで延長した。訪れた人たちは広々とした湯船に漬かってはほっと一息つくものの、避難所や自宅に戻れば不安は拭えず、心が休まる日は遠い。

午後6時すぎ。氾濫した那珂川近くの旧御前山地区にある「四季彩館」には、日中、自宅の片付け作業に追われた市民らが次々とやって来る。

同館などに毎日のように通う同市野口の青木秀雄さん(63)、はる子さん(62)夫婦は、浸水した自宅で片付けながらの生活を送る。給湯器を買い換えたが、設置は順番待ちの状態。「お風呂に入るとたまった疲れが取れるので助かる」と話し、湯上がりの上気した顔が緩む。

同市宇留野圷の区長、関孝行さん(74)は市外の親戚宅から車で通う。「ここは顔見知りも多いから、気が紛れる」。先祖代々の土地に建てた自宅は大きな被害に遭い、柱と壁しか残っていない。今週末から県営住宅に入居するが、「1人になると、いろいろと考えてしまう。先は真っ暗だ」とうつむいた。

旧山方地区にある温泉施設「三太の湯」はアルカリ性単純温泉で、疲労回復などの効能がある。1日平均約30人の被災者やボランティアらが訪れる。

自宅が床上浸水した同市小倉の沼田道子さん(64)は「体が温まり、ほっとする」と、つかの間の休息を楽しんだ。まだ床下の泥かきが終わらず、先は長い。夫の一美さん(66)は「思ってもみなかった被害」と唇をかんだ。

旧美和地区の「ささの湯」には、28日までに計224人が疲れを癒やした。

市によると、29日現在、市内の避難所4カ所に15世帯32人が身を寄せている。市内の建物被害は全壊が48棟、大規模半壊が81棟、半壊が280棟に上る。災害ごみは4カ所の受け入れ期間を11月4日まで延ばした。被災した建物の家財道具の整理や清掃など、体力を使う作業はいまだに終わりが見えない。(湯浅奈実)



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