2019年10月31日(木)

台風19号 水戸の清掃工場 災害ごみ処理苦慮

フル稼働、搬入制限も

仮置き場に持ち込まれた災害ごみ=水戸市田野町
仮置き場に持ち込まれた災害ごみ=水戸市田野町

台風19号で出る災害ごみの焼却処分に、水戸市が苦慮している。回収量が焼却能力を上回り、可燃ごみをためる市小吹清掃工場(同市小吹町)のピットがあふれつつあるからだ。工場は修繕中の焼却炉を稼働したり粗大ごみの搬入を制限したりして対応する方針だが、仮置き場に集まる災害ごみの搬入が本格化するのはこれから。全ての災害ごみを処分するには当分、時間がかかりそうだ。

■ピットが満杯

小吹清掃工場は日常的に収集する可燃ごみに加え、焼却可能な災害ごみについて市直営の収集車が回収して搬入を始めている。今月下旬からは、仮置き場に集められた一部の災害ごみの搬入もスタートし、処理量は増加の一途をたどる。

収集車は工場に入ると、集めてきたごみをピットに投入。ピットのごみはクレーンで持ち上げられ、焼却炉に移される仕組みだが、現在は回収量が焼却能力を上回り、ピット内のごみがあふれそうな状態だ。

ピットの容量は最大1500トンで、千トンを超えると粗大ごみ破砕機の排出口をふさぐ。このため、ピット内のごみは千トン以下に制御する必要があるが、「既に1200トンほどに上り、ぎりぎりの状態。クレーンで破砕機排出口の周囲のごみを取り除いている」(同工場の担当者)状況だ。

■3〜4カ月分

こうした事態を受け、工場は11月1〜15日の約2週間、粗大可燃ごみの受け入れを休止する。また、修繕、補修のため停止させることになっていた焼却炉1基も11月上旬から当面の間、稼働させる。通常の1・5倍の焼却能力に当たる計3基“フル稼働”態勢で処理を進め、ピット内のごみを減らしていく方針。

市によると、同工場で焼却処分される可燃ごみは年間7万トン。一方で、台風19号による水害で出た市内の災害ごみは、可燃や不燃を合わせ推計4万トンに上る。担当者は「(災害ごみの)半分が可燃ごみと想定しても、通常の3〜4カ月分。当分時間がかかりそう」と話す。

■搬入が本格化

市内3カ所の仮置き場には、今も災害ごみが集められている。浸水により使えなくなった農業資材を持ち込んでいた同市藤井町の園部潤一さん(35)は「作物の定植や収穫などで忙しく、やっとごみを出せるようになったばかり。まだ(農業資材の)ビニールが多く残っている」と話す。

今後、災害ごみの工場搬入が本格化すれば、焼却はさらに追い付かなくなる。市ごみ対策課によると、今後は小吹清掃工場のほか、内原地区や常澄地区のごみを処理する一部事務組合の焼却場でも処分を行っていく予定だ。

同課は「東日本大震災のときは、仮置き場周辺の住民らから悪臭などの苦情が出た。消臭消毒対策をしっかり行いながら早期の解消に努めたい」としている。(前島智仁)



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