2019年11月1日(金)

大子町 新庁舎建設を再検討 浸水被害、立地場所も

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台風19号による河川の氾濫で、庁舎が浸水して孤立した大子町は、計画していた新庁舎建設計画を再検討していることが31日、分かった。茨城新聞の取材に高梨哲彦町長は「基本設計通りに、堤防より床上にするだけで、浸水対策は大丈夫なのか。建設場所を含めてもう一度、考えたい」と明かした。近く、設計案を示した業者と意見交換する。本年度に建設着工、来年度末に完成させる予定だった新庁舎は、計画が延びる可能性が出てきた。

新庁舎は3月中旬、町民説明会があり、基本設計案が示された。この中で、建設場所は現在地よりも約200メートル、JR常陸大子駅近くにして、浸水対策として、すぐ近くを流れる押川の堤防より60センチ高い床上に設定した。

だが、先の台風による大雨で、押川に加え久慈川も氾濫した。本庁舎駐車場は約2メートルの深さまで浸水。敷地内の分庁舎は水没して、生活環境課と農林課は、書類などが水浸しで、大きな被害を受けた。

本庁舎は坂の傾斜を利用して建設。駐車場からの裏口は地下1階で、正面玄関からの1階執務室は、浸水しなかった。ただ、職員らは駐車場のごみ撤去、泥のかき出しに追われた。

こうした現状に、高梨町長は「新庁舎建設は再検討せざるを得ない」と判断。久慈川と押川の堤防の強化、かさ上げが急務だが、新庁舎建設までには間に合わないとして、設計を担当する遠藤克彦建築研究所と事務レベルで協議。今後、立地場所も含めて、具体的に詰める。

建設に関しては、有利な地方債借入制度(返済額の22・5%が国からの地方交付税として算入)の対象となる「市町村役場機能緊急保全事業」を前提に計画。条件を満たすため、来年度末までには実施設計に着手する。町は本年度当初予算に新庁舎建設事業費8億9825万円を計上したが、「役場機能だけでなく、安全なまちづくりをどうするかが大事」(高梨町長)として、計画を延ばすことも視野に入れる。

同町役場は本庁舎が1961年、分庁舎が64年と71年に建設。築後50年以上かそれ近く経過しており、老朽化に加え、バリアフリーになっておらず、国の耐震基準に適合していない。教育委員会や健康増進課が庁舎から離れ、行政機能も分散している。(蛭田稔)



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