2019年11月5日(火)

鬼怒川決壊で浸水、常総の高齢者ら 台風被災地に「恩返し」を

「土のう袋立て」自作、栃木へ

土のう袋を自立固定させる支援物資を手作りする常総市のお年寄りたち=常総市水海道橋本町
土のう袋を自立固定させる支援物資を手作りする常総市のお年寄りたち=常総市水海道橋本町

鬼怒川の堤防が決壊した2015年9月の関東・東北豪雨で浸水被害に遭った常総市のお年寄りたちが、台風19号で市内が広範囲に浸水した栃木県栃木市の復旧に役立ててもらおうと、土のう袋を自立固定させる支援物資を手作りした。常総市に拠点を置く被災地支援団体「ピノキオクラブ」のボランティア活動の一環で、2時間ほどかけて60枚を製作し、栃木市に届けた。


「プラダンシート」と呼ばれるプラスチックシートを円筒形にして粘着テープで固定した作り。ごみ箱にごみ袋をかけるのと同じやり方で使用する。

通常、水害によってたまった泥を土のう袋に詰める作業は、袋を持つ人と泥を入れる人の2人がかりとなるが、これがあれば1人で作業に取り組める。折り畳むこともできるので持ち運びも楽。代表の松村雅生さん(68)が他の支援団体から「栃木市に送ってほしい」と依頼されて協力した。

製作作業は10月29日、常総市水海道橋本町の集会所で行われ、松村さんと70〜90代の女性メンバー計8人が集まった。

同市水海道宝町の山中政江さん(85)は、右手首の炎症をこらえながらの作業だった。手首が痛むのは手編みの帽子を毎日編むから。帽子はこれまで、東日本大震災や豪雨の被災地に送り届けてきた。

一つ一つ出来上がっていくプラスチックの筒を見て、「これで助かる人がいると思うとうれしい」と笑顔で話した。

この日集まった女性のほとんどは、4年前の鬼怒川の氾濫で住居が被災し、ボランティアの助けを借りて生活を取り戻した人たちだ。

当時自宅が床上1・8メートルも泥水に漬かった同市水海道橋本町の小玉きよさん(87)は「私の家にはボランティアの人が50人ぐらい来てくれた。その中には山形県の人もいた。汚れた床や壁の撤去。下地の張り替えなどもやってもらった」と振り返る。

「あの時の感謝を思い出すと涙が出る。受けた恩は返さないといけない」と、遠くの被災者を思いながら作業に精を出していた。(今橋憲正)



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