2019年11月5日(火)

台風19号 ベトナムの学生来県 被災地訪れ気候研究

ボランティア経験、本国へ

浸水被害に遭った住宅で洗浄作業のボランティアに取り組む日越大の学生ら=水戸市岩根町
浸水被害に遭った住宅で洗浄作業のボランティアに取り組む日越大の学生ら=水戸市岩根町

気候変動について学ぶベトナムの学生たちが、台風19号の被災地でボランティアを行いながら実地研究に取り組んでいる。茨城大を拠点に、浸水被害を受けた現場を回ったり、関係機関への聞き取りなどを通じて学びを深めている。ベトナムは台風や洪水による被害が多く、日本での学びや被災地での経験を本国で生かしたい考えだ。


学生たちは日越大(ベトナム・ハノイ)の修士課程「気候変動・開発プログラム」の2年生20人。気候変動による影響などについて学びを深めるため来日中で、茨城大を拠点に研究を行っている。

茨城大によると、ベトナムは海面上昇や台風による浸水被害が深刻で、農業や防災分野など多方面で気候変動に対する関心が高まっているという。台風19号の被害についても関心度が高く、ボランティアには、希望制にもかかわらずほぼ全員が参加した。

学生たちは10月30日、台風19号で大規模な浸水被害を受けた水戸市岩根町でボランティアに取り組んだ。泥水に漬かった跡が残る室内で、学生たちは家主の夫婦に被害の様子を聞いたり、励ましの声を掛けながら約4時間、床の掃除や泥水に漬かった写真の洗浄などの作業を行った。

参加したグェン・ティーダン・フエさん(27)は「地元の人を支援できてうれしい。同時に、災害で深刻な影響が出ていることがよく分かった」とした上で、「ボランティアセンターを中心にボランティアが派遣される仕組みについて理解が深まった。帰国後の参考にしたい」と話した。

学生は10月28日に来日し、研究内容に応じて17日間・26日間・47日間の3コースに分かれて滞在し、研究を行っている。

日越大の同プログラムでは、茨城大の教員約20人が日越大教員を兼務しており、学生らは担当教員の指導の下で学ぶ。実地研究では、同大教授から台風の被害や科学的なメカニズムについて指導を受けるほか、県の防災や支援策についても学ぶ。国立防災科学技術研究所などの研究機関の見学なども行う。日越大の日本側ディレクターを務める北和之茨城大教授は「気候変動を考えて開発を進められる現場のリーダーが育ってほしい」と話す。

日越大は、日本、ベトナム両政府が共同で2016年に設立。修士課程プログラム(2年間)が七つ設置され、東京大や筑波大などの大学がそれぞれの課程で中心になり、カリキュラムの設定や教員の派遣などを行っている。気候変動・開発プログラムは七つ目のプログラムとして茨城大が中心となり18年に開校した。(成田愛)



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