2019年11月22日(金)

下妻、鬼怒フラワーライン 咲け、復興のポピー

台風19号で冠水 思い寄せ、児童ら種まき

ポピーの種をまく子どもたち
ポピーの種をまく子どもたち

鬼怒川河川敷で自然体験や学習を続けている、下妻市青龍楽校(せいりゅうがっこう)少年団(飯島順一会長)と市立大形小(同市別府、宮田真理子校長)の児童たちが、ポピーの名所の鬼怒フラワーライン(同市鎌庭)で、台風19号からの復興を願いポピーの種まきに取り組んだ。河川敷が冠水し、予定よりも約1カ月遅れの作業だった。花が咲くのか不安もよぎる中、子どもたちは「丹精込めて種をまいた」「咲いてくれるとうれしい」と満開の花畑の到来に思いを寄せている。(下妻支局・小林久隆)

▽復旧作業
台風19号が通過した10月13日午前4時ごろ、飯島さん(66)は河川敷を見て「花畑まで水は来ていない。大丈夫かな…」と確認。だがその期待はかなわず数時間後、鬼怒川はさらに増水し花畑は濁った水に覆われた。

本来は同日、少年団の団員と同小児童が、ポピーの種まきと6月に定植した約600本のサツマイモ掘りを行うはずだった。サツマイモは全滅した。

毎年5月、同所で約50万本のポピーが咲き誇る「花とふれいまつり」が開かれる。主催するのは花畑を管理する市民グループ・花と一万人の会。同会の会長も務める飯島さんは「早く種がまける状態にしないと」と、週末ごとに同会スタッフらが集まり、パワーショベルを使うなど花畑に残った流木やヨシ、さまざまなごみを懸命に取り除いた。

復旧作業に当たった元同小校長の平塚昌利さん(66)は「祭りを市民に楽しんでもらいたい。来年も花を咲かせよう、その思いだけでやっている」と額に汗を流した。

▽丹精込め
今月10日、少年団員、同小4〜6年生の同会ジュニアスタッフ、保護者、地域住民ら約110人がポピーの種まきに集まった。花畑は急ピッチで整備され、畝にマルチシートも張り受け入れ準備を整えた。軍手に長靴姿の子どもたちは、シートに等間隔に並ぶ直径4〜5センチの穴へスプーン1杯分の種を落とす作業に取り組んだほか、周辺のごみ拾いも行った。

少年団団長の猪瀬夏美さん(大形小6年)は「いつもより丹精込めて種をまいた。来年はいつも以上にきれいに咲いてほしい」と願った。ジュニアスタッフの石井美咲さん(同小5年)は「花がいっぱいの下妻市、そうなってほしい。咲くとうれしい」と語った。

鬼怒フラワーラインが冠水したのは2015年9月の関東・東北豪雨以来。当時も関係者が力を合わせ復旧に当たった。飯島さんは「いま種をまかなければ来年の祭りができない。何とか間に合いホッとした」と表情を崩した。冠水したことも「自然の摂理、子どもたちは逆に勉強になったと思う」と話した。

ポピーの種まきから6日後の16日午後。河川敷を訪れるとポピーが発芽しているのが確認できた。来年5月、子どもたちの思いを乗せた復興の花が咲いているだろう。

花畑に残った流木やヨシなどを片付ける花と一万人の会のスタッフ=下妻市鎌庭、10月19日
花畑に残った流木やヨシなどを片付ける花と一万人の会のスタッフ=下妻市鎌庭、10月19日


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