2019年12月10日(火)

大子町新庁舎の移転候補地 理科大センター跡が浮上

大子町新庁舎の移転候補地に浮上した東京理科大・大子研修センター=大子町北田気
大子町新庁舎の移転候補地に浮上した東京理科大・大子研修センター=大子町北田気

台風19号による河川の氾濫で、庁舎が浸水した大子町の新庁舎建設地は9日、東京理科大・大子研修センター(旧大子二高)跡になる可能性が高まった。開会中の町議会一般質問で、高梨哲彦町長は「浸水の影響を受けない安全な位置への変更が望ましい。高台などを含め町有地で、建設の早期実現性を考慮して選定」と回答。提出した本年度一般会計補正予算案にも、敷地測量や新たな建設設計費を追加、建設地を白紙に戻した。同研修センターは来年1月上旬、町への返還が決定、庁舎移転先として最適地になっている。

定例会で高梨町長は岡田敏克氏(無所属)の質問に、候補地の条件などを示した。ただ、研修センター跡に関しては「市街地に近い高台で、水害の安全性も確保できると考えられ、候補地の一つとして検討」と明言を避けた。

現在の新庁舎建設予定地は、今よりJR常陸大子駅寄りの押川沿いで、浸水想定区域のまま。押川と久慈川の氾濫により役場機能が停滞したのを教訓に、高梨町長は「庁舎の安全性を第一に」と答弁し、新庁舎は来庁者の利便性や中心市街地活性化よりも安全性が優先との考えを示した。敷地測量や地盤調査、設計費などに約2800万円の補正予算案を組んだ。

同研修センターは、国道118号を挟んで、久慈川の反対方向にある。2006年3月に県立大子二高が閉校して09年、町が跡地を買い取り、活性化を狙いに東京理科大に無償貸与している。

敷地面積約5万7800平方メートル。3階建ての校舎は同大が改修して約40部屋の宿泊棟になり、台風被害では町の被災者の避難所として活用した。体育館なども整備され、グラウンドは約1万8千平方メートルと広い。

庁舎建設は、借入額の30%が国の交付税で措置される「市町村役場機能緊急保全事業」の活用が大前提。条件を満たすには来年度末までに実施設計に入る必要があるが、浸水被害の経験から庁舎移転は急務。本年度内に基本設計を終え、来年夏までに実施設計を完了。秋には着工して、21年11月ごろ完成との計画が見込まれる。

当初、新庁舎は現在地から常陸大子駅近くに約200メートル先の予定だった。3月に基本設計を終え、本年度一般会計当初予算案に、建設費として約8億9800万円を計上。年内に実施設計を完了、年明けにも着工する予定だった。(蛭田稔)



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