2019年12月10日(火)

《台風19号検証》那珂・久慈川 河川整備計画見直し 国交省方針

目標流量超え氾濫

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台風19号で氾濫した那珂川、久慈川について、国土交通省関東地方整備局は8日、常陸大宮市役所で開かれた有識者会議で、現行の河川整備計画を見直す方針を明らかにした。19号による大雨で、両河川の流量が現行計画の目標流量を上回って増水し、堤防決壊や川の水が堤防の上をあふれ出る「越水」が起きたとする点検結果を示した上で、同整備局は「(より高い治水力を持つ)新しい治水計画の検討が必要」と結論付けた。ただ、具体的な見直しのスケジュールは未定。

同整備局によると、現行の那珂川水系河川整備計画は2016年1月に策定。基準地点の野口(常陸大宮市)で近年最大の1998年8月の洪水と同規模が発生しても、水害発生の防止・軽減を図ることを目標とした。計画期間は約30年。堤防整備や川底の掘削、橋梁(きょうりょう)の架け替え、増水ピーク時に対応した遊水池の整備などが盛り込まれた。

計画では目標流量を野口地点で1秒当たり5900立方メートルと定めた。しかし、点検の結果、台風19号の増水で同地点の流量は7400立方メートルに達し、計画の目標値を大幅に上回ったことが分かった。

河川工学などの専門家らで構成する有識者会議で、同整備局はその要因として「大雨が一日に集中した。1時間当たり20ミリ以上の雨が長時間降り続いた」と説明。越水が一つの引き金となり堤防が決壊したとの推定をあらためて示した。

久慈川についても、86年8月の戦後最大の洪水を想定し、昨年8月に現行整備計画を策定した。しかし同様に、今回の19号で増水時の流量が計画の目標流量を上回ったとして、見直しの必要性を指摘した。

有識者会議で、委員からは「上流部の河川整備の進展が下流部の洪水を大きくすることもある」などといった上・下流や国・県管理区域の整備のバランスについての指摘や、「地元の人が容認できる範囲で遊水池の整備が必要」「(計画期間の)30年後の人口がどうなっているかも考えて計画を作るべき」などの意見が挙がった。

那珂川と久慈川の河川整備計画見直しについて、同整備局の佐藤寿延河川部長は「水域一貫でものを見ていくことが重要。県との連携をある程度一緒にやっていくことに尽きる」と語った。 (三次豪)



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