2019年12月16日(月)

茨城県社福施設経協の生活支援 引きこもり連携拡大

職場体験、復帰後押し

職場体験でシーツ交換をする引きこもり経験者=11月、筑西市内
職場体験でシーツ交換をする引きこもり経験者=11月、筑西市内

生活困窮、社会的孤立に陥っている人に職場体験や給付金を提供する県社会福祉施設経営者協議会の事業で、連携先にこれまでの県・市町村のほかに、新たに県ひきこもり相談支援センターが加わった。自治体で把握できていない引きこもり当事者にも支援が届くよう間口を広げた形だ。センター側は「お金を稼ぐことのハードルが低くなり就労意欲が高まる」とし、社会復帰の後押しとなることを期待する。

11月下旬、筑西市の特別養護老人ホーム「筑圃(つくほ)苑」では職場体験として男女3人が職員の指示を受けながらシーツを交換していた。

3人とも引きこもり経験者で同センターの利用者。現在は就労支援施設に通い、社会復帰を目指している。それぞれ緊張した様子だったものの、黙々と作業に臨んでいた。男性(37)は「体力面が不安だが、仕事ができることも分かり少し自信になった」と話す。家庭内の問題を抱えて約10年前に引きこもり状態になった。以前は鉄骨を組み立てる仕事などをしていたが、「介護の仕事にも興味が湧いてきた」と言う。

適応障害のある女性(49)は15年前に体調を崩して退職した。「緊張や戸惑いが多かったが、職員の方が丁寧に教えてくれ、やりやすかった」。女性(30)は高校卒業後に就職がうまくいかず、引きこもり状態に。「作業が慣れていないので戸惑っているが、もうちょっと頑張ってみる」と語った。

特養の木村光子施設長は「3人とも一生懸命に働いている。社会に出る一歩に協力したい」と話す。

3人は1日6時間で4日間、清掃や洗濯に従事して無事終えた。この「体験」は、県内の児童福祉施設や老人福祉施設などの経営者でつくる同協議会による「いばらき生活支援事業」の一環だ。職場体験と合わせて「就職活動応援金」として体験1時間当たり千円、最大2万円を給付する。3人にも同額が渡った。

いばらき生活支援事業は、生活困窮や社会的に孤立している人への緊急支援として2017年度に始まった。当初は県・市町村との連携のみだったが、11月からは同センターも組み込み、引きこもり当事者への支援が漏れないようにした。3人は最初の適用ケースとなった。

同協議会事務局の県社会福祉協議会の担当者は「生活困窮者の中には引きこもりの方もおり、自治体の窓口に行きづらい人もいる」と明かす。

同センターの浅沼秀司センター長は「自己肯定感の低い引きこもり本人にとって、履歴書を書いて企業のアポを取り、面接を受けたりと、就職までは長い道のりに感じられる。気軽にお金を稼ぐことができるいばらき生活支援事業は、本人の自信にもなり、働くことのハードルを下げて就労意欲が高まる」と意義を説く。(斉藤明成)



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