2020年1月24日(金)

経口ワクチン散布開始 豚コレラ感染防止、野生イノシシ用 県が10市町

穴を掘り経口ワクチンを入れる猟友会員と県北家畜保健衛生所の職員=23日午前、常陸大宮市舟生
穴を掘り経口ワクチンを入れる猟友会員と県北家畜保健衛生所の職員=23日午前、常陸大宮市舟生

豚コレラ(CSF)の感染を防ごうと、県は23日、常陸大宮市など県内山間部で、ウイルスを媒介する野生イノシシへの経口ワクチン散布を始めた。31日までのうちの4日間で、10市町の山林など計247カ所に散布する。養豚場の豚へのワクチン接種は2月以降に始める予定。豚コレラは豚やイノシシに伝染する病気で、関東では埼玉県の養豚場の豚や群馬県の野生イノシシで感染が確認されている。本県での感染は確認されていないが、感染した地域に近い野生イノシシに経口ワクチンを食べさせて抗体をつけることで、養豚場の豚への感染を防ぐのが狙い。

この日は6市町で約40人が作業に当たった。常陸大宮市舟生では、県職員と猟友会会員4人が、イノシシに餌付けした場所に経口ワクチンを埋めた。経口ワクチンは縦横4センチの固形物。トウモロコシをビスケット状に固めた餌の中に生ワクチンが入っている。2月20日から2回目を散布する。

県は2月以降、全農場の豚46万6400頭へのワクチン接種を開始し、5月以降には終える見通し。1月中に「ワクチン接種プログラム」を作成し、各農場の接種時期を決める。

その後は定期的な接種が必要で、接種の間隔は、繁殖用の親豚は初年度2回、2年目以降は年1回行う。出荷する豚は生後1カ月を目安に1回接種する。

接種できるのは家畜防疫員として県が任命する獣医師で、県内には現在221人いる。

大井川和彦知事は22日の定例記者会見で、接種要員の不足が懸念されることを念頭に「国に、接種に対する資格者の範囲をもっと緩めるなどの対策を迅速に要望していきたい」としている。(大貫璃未)

■防護服や手袋 着用し作業

県内で野生イノシシに対する豚コレラワクチン散布が23日、始まった。常陸大宮市舟生では、午前9時45分ごろ、県職員と猟友会の会員4人が民家に近い耕作放棄地で作業をスタート。周囲にはイノシシが土を掘り返した跡が点々と残る。ウイルスは人に感染しないが、職員らは、体に付着して現場から拡散するのを防ぐため、防護服や手袋を着用して臨んだ。

ワクチンの散布場所は、野生イノシシの出没エリアを知る猟友会が市職員と設定。10メートル四方に穴を10カ所堀り、深さ約10センチの穴に経口ワクチン2個と飼料用の餌を入れて埋め戻した。イノシシは食べ物を掘り返して食べる習性がある。埋めることでほかの小動物が食べるのを防いでいる。

県畜産課の棚井幸雄技佐は「県内にウイルスがいつ入ってきてもおかしくないと危機感を持っている。山林に必要以上に入らないでほしい」と呼び掛けた。

■豚コレラ問題の経過と予定
2018年
9月9日 岐阜市の養豚場で感染確認。国内発生は26年ぶり

2019年
9月20日 全国の感染拡大を受け、農水省が飼養豚のワクチン接種再開を決定
12月20日 農水省が飼養豚のワクチン接種推奨地域に本県を設定

2020年
1月14日 県が野生イノシシに餌付け開始
1月23日 県が野生イノシシへの経口ワクチン散布開始
1月中 県が飼養豚へのワクチン接種プログラムを作成
2月以降 県が飼養豚へのワクチン接種開始
5月以降 飼養豚への接種終了



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