2020年2月5日(水)

原発30キロ圏にヨウ素剤 小泉担当相、茨城県などへ配布要請 県内対象は94万人

原発などの事故の際に甲状腺被ばくを防ぐ医薬品「安定ヨウ素剤」について、小泉進次郎原子力防災担当相は4日、施設から30キロ圏内の住民にも積極的に事前配布するよう、関係する24道府県に要請したと発表した。原子力災害対策指針では、5キロ圏内の住民に事前配布すると定めている。本県には日本原子力発電(原電)東海第2原発(東海村白方)があり、30キロ圏内に全国最多の約94万人が暮らす。

小泉氏は「住民の健康を第一に考え、十分な効果が得られるタイミングで服用できるよう確実に住民の手に渡ることが不可欠だ」と述べた。

内閣府は今後自治体の意向を聞くが、自治体からは「住民への説明会開催などにお金と人手がかかる」「全住民に配るのか、避難に支援が必要な人に配るのか、明確にしてほしい」などの声が上がっている。

指針や配布マニュアルでは、原則40歳未満が対象だが40歳以上の妊婦や希望者にも事前配布できる。原発の5キロ圏内の住民は大事故の際は即時避難し、ヨウ素剤は自治体による事前配布を規定。30キロ圏内の住民は屋内退避し、備蓄しておいたヨウ素剤を避難所などで配布するが、自治体の判断で事前配布可能としている。

現在は医師立ち会いの下、配布会で住民に配っているが配布率が上がらないなど課題が残っており、小泉氏は、保健所などで配布する方法も活用するよう求めた。

本県では、県が東海村全域と日立、那珂両市の一部で、5キロ圏内の住民約6万4千人を対象に2015年から安定ヨウ素剤の配布会を開き、丸剤タイプの薬を渡している。18年9月末で全ての有効期限が切れたことから、旧剤と新剤の交換を行っている。

一方、ひたちなか市は16年から、全市民約15万8千人を対象に安定ヨウ素剤を事前配布している。同市は一部が5キロ圏内、全域は30キロ圏内に入る。市は事故発生後に避難所などで配るのは困難と判断し、独自に薬局や配布会で渡している。しかし、配布率は昨年6月末時点で全市民の27%にとどまっており、小泉氏の言う「確実に住民の手に渡る」状況にはなっていない。

原発事故で放射性ヨウ素が放出されると、食べ物や飲み物を通じて喉元の甲状腺にたまり、がんを引き起こす。安定ヨウ素剤は放射性ヨウ素の蓄積を抑制する効果があるとされる。



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