2020年2月18日(火)

豚熱ワクチン接種開始 茨城県内46万頭 1巡目、6月完了へ

養豚場に出発する前、打ち合わせをする県の獣医師ら=17日午前8時46分、筑西市新井新田、吉田雅宏撮影
養豚場に出発する前、打ち合わせをする県の獣医師ら=17日午前8時46分、筑西市新井新田、吉田雅宏撮影

茨城県は17日、養豚場などの豚に対して「豚熱(CSF)」感染予防のためのワクチン接種を始めた。399農場の飼育豚約46万頭を対象に、発生県の埼玉や群馬に近い県西、県南、県北・県央、鹿行地域の順に全頭接種を進め、6月上旬までに1巡目の完了を目指す。県内でのワクチン接種は2006年3月に中止して以来、14年ぶり。この日、栃木や千葉でも接種が始まった。

県は1月、県境に近い10市町の山間部で野生イノシシへの経口ワクチン散布も実施。「ワクチンベルト」構築によりウイルスの本県侵入を防ぐ考えだ。

初日は古河市内の養豚農家9戸の約5000頭が対象。県から家畜防疫員に任命された獣医師資格を持つ県職員らは午前8時半ごろ、県西家畜保健衛生所(筑西市)で接種に使用する注射器の使い方などの説明を受け、3人一組11班に分かれて養豚場に向かった。農場では、他の病気の持ち込みを防ぐため使い捨ての防護服を着て、注射器を使って1頭ずつ、豚の首などの筋肉に接種した。生まれたばかりの子豚や出荷直前の豚は除いた。

約800頭の接種を終えた古河市東牛谷の舘野薫さん(64)は「発生県に近く、打つなら早い方が良いと思っていた。安心できた」と話した。

豚熱は、18年秋に岐阜県で国内26年ぶりの感染が判明。感染拡大が止まらず、19年10月には岐阜や愛知など6県で、中止していたワクチン使用に13年ぶりに踏み切った。関東でも埼玉県の養豚場の豚や群馬県の野生イノシシで感染が確認され、感染リスクが高まっているとして、農林水産省は発生県に隣接する本県などもワクチン接種推奨地域に選定。近県では既に群馬や埼玉、神奈川県で接種1巡目を終えている。

県西家畜保健衛生所の飯島知一所長は「埼玉や群馬で陽性の野生イノシシが見つかり、農家はいずれ県内に入ってくると警戒してきた。農家が安心して飼えるようになる」と話した。県西地域の10市町は3月10日に接種1巡目を終える予定で、その後は県南、県北、鹿行の各家畜保健衛生所管轄で続く。

県西地域の新たに生まれる子豚や年1〜2回の親豚への追加接種は3月中旬から実施予定。少なくとも1農場30頭を対象に抗体の有無も調べる。

県養豚協会の倉持信之会長は「全頭接種によって県内での発生を防ぐ。やっと打てるようになり、ありがたい。農家の不安払拭(ふっしょく)にもつながる」と述べた。

県畜産課によると、ワクチン接種により基本的に豚熱は発症しないとされる。接種済みの肥育豚は接種から20日間経過後に食肉処理場に出荷できる。接種した豚肉を人が食べても健康に影響はないという。(大貫璃未)



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