2020年3月22日(日)

《新型コロナ・感染拡大防止》院内感染防止に注力 茨城県内医療機関 専用入り口や診察室

発熱専門診察室で患者に対応する医師=牛久市柏田町のセントラル総合クリニック
発熱専門診察室で患者に対応する医師=牛久市柏田町のセントラル総合クリニック

新型コロナウイルスの感染者が茨城県内で相次ぐ中、医療機関では発熱で来院する患者への対応や院内感染防止に悪戦苦闘している。感染拡大に伴い、外来の入り口を急きょ分けたり、専門診察室を設置したりして院内感染を防ぐ。マスクや消毒液も不足気味で、診療所から感染症指定医療機関まで最前線に立つ医療現場では「常に緊張を強いられている」と長期戦を見据えた戦いに神経をとがらせている。

■発熱外来設置
「入館される前にお願い」。牛久市柏田町のつくばセントラル病院に隣接された診療所。入り口には黄色の大きく目立つ張り紙が掲示されている。入館に当たり、37・5度以上の発熱や風邪症状、強いだるさ、息苦しさのある人は、まず電話をして受診方法を相談するよう求めている。

同病院は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2月下旬から急きょ、発熱外来を設け、入り口から内部までを一般外来と分けた。検査室だった部屋を発熱患者専用の診察室に切り替えた。

夜間に感染が疑われる人が来た場合は、専用ガレージの車内で、医師が防護服を着て診察する態勢も整えている。救急車内での診察も見据える。

県内での感染者3人目となった男性は最初に近所の診療所を訪れており、診療所も感染リスクにさらされる。同病院で感染症対策に携わる友部光朗医師は「感染しても症状がない人がいるので神経を使う。適切に診断して疑わしい例は(ウイルスの有無を調べる)PCR検査を依頼して、万全を期していく」と話した。

■「役割果たす」
PCR検査は医療機関からの依頼で県衛生研究所で実施。18日時点で574人、711検体を検査した。陽性となった患者は、2〜10床の感染症病床を持つ県内14カ所の感染症指定医療機関で治療を受ける。

ある指定病院では、発熱症状のある患者向けの待合は医療用空気清浄機を設置し、診察室の空気が外に漏れない陰圧構造にしている。入院患者の面会も家族1〜2人で10分以内に制限。患者に接する職員は日々健康観察を行い、症状が出れば勤務を見合わせる。

感染症患者と接する際は、感染管理担当者の下で厳しい衛生管理を施し、ゴーグルや医療用マスク、全身を覆う防護服を着て専用病床で治療に当たる。別の指定病院では感染者増への不安を口にしつつ「指定病院としての役割を果たしていくしかない」と強調した。

■物資不足に懸念
医療機関が懸念するのはマスクや消毒液の品薄だ。県南の総合病院では「医療用サージカルマスクの入荷が止まった。医療用マスクを着ける部署と、自作マスクで対応する部署と、状況に応じて使い分けている」と指摘。通常の使い方ができず、やりくりしながら供給を待つ綱渡り状態が続いている。感染症疑い患者に接する際に必要な微粒子用マスクや防護具の不足を訴える病院もある。

こうした状況を受け、県は医師会を通じて、国から提供された医療用マスク34万枚を県内5千施設に配ることを決めた。市町村は緊急時備蓄用のマスクを地元病院に優先提供している。ある診療所の医師は「感染防止に物資は不可欠で、不足状態が長期化すると困る。院内での感染は絶対にあってはならない」と危機感を口にした。(綿引正雄)



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