2020年3月24日(火)

《新型コロナ》茨城県内204床、重症度で分担

全県で入院調整 医療体制整備が急務

茨城県内で渡航歴がなく感染経路がはっきりしない人の新型コロナウイルス感染が初めて確認された23日、これまでとは違う緊張が走った。今後、県が最も警戒するのは、こうした感染経路が不明な患者が相次ぐ事態だ。最悪のシナリオを想定し、県は広域的な入院調整の仕組みや、患者の重症度に応じた病院の役割分担など、医療体制の整備を急いでいる。

新型コロナウイルスに感染して入院が必要な患者は、必要な設備や態勢が整う「感染症指定医療機関」で受け入れるのが原則。県内には11病院(48床)ある。

しかし感染拡大で受け皿が不足する恐れがあるとして、県は新型インフルエンザ発生時に対応する病院などに協力を求めてきた。その結果、新型コロナウイルス感染者が入院できる県内病院は38病院(204床)まで増えた。

その上で県は、専門家らでつくる感染症対策協議会の意見を踏まえ、重症者の治療を優先できるよう入院調整のスキームを策定。基本的には県内9カ所の保健所が患者の重症度を踏まえて入院調整していく。管内で入院先を確保できない場合は近くの保健所間で融通し合う。それも難しい場合、県保健福祉部が感染症専門医の意見を聞き全県的な入院調整を行う。病床リストは1日2回更新する。

病院の役割分担では、人工呼吸器や人工心肺装置がある病院で主に重症患者を受け入れる。それ以外は、肺炎症状を管理する必要があったり、症状が比較的落ち着いていたりする人に対応する。

同協議会の委員長を務める岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は「感染拡大時に8割は軽い症状で回復するが、残り2割のうち数%は重症化する。この人たちが医療にしっかりアクセスできるようにする必要がある」と指摘する。

県内38病院のうち入院できる病床の内訳は、クルーズ船患者の2人を含む入院中が6床、重症者受け入れ可能が39床、重症以外が70床。人工呼吸器や感染防護具などがそろえば対応できる「条件付き受け入れ可能」の病院(89床)も多い。

ただ病床数は現状で十分ではない。

三つの医療圏ごとに県内を分けた地域別病床=図=を見ると、「つくば・県西」の確保病床数は29床で、「県央・県北」の80床、「県南・鹿行」95床のそれぞれ半分にも満たない。

また、厚労省は流行ピーク時に1日に外来受診する患者数と入院治療が必要な患者数、重症患者数を推計する式を提示しており、本県に当てはめると、順に9790人、5180人、170人となる。

推計値は何の対策も取らないケースを想定しており、実際にはピークは下がるとみられるが、県疾病対策課は「感染拡大時に現状ではベッドが足りなくなる可能性がある。引き続き病床の確保に取り組んでいく」としている。(戸島大樹)



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