2020年3月24日(火)

東海村 独自の助成金制度廃止 障害者、難病患者対象

事前説明なし、反発も

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東海村が3月で障害者や難病患者に対する村独自の助成金制度を相次いで廃止する。これに対し、村が事前に意見を聞かず当事者抜きで方針を決めたことに、関係者は「廃止決定のプロセスには納得がいかない」とし、廃止の見直しを求めている。

3月の村議会定例会の一般質問。村が今月で障害者支援施策の助成制度九つをやめることに複数の議員が経緯をただした。

村福祉部長は冒頭、「関係者から『内容がよく分からない』『今後が不安だ』といった声を頂き、分かりやすく丁寧に説明ができていなかったのだと、反省している」と陳謝。一方で「限られた資源の有効活用の視点から事務事業の選択と集中を徹底した。妥当性、有効性、効率性を再検証し、類似事業の統合や休廃止、事業の状況に応じた抜本的な見直しを行った」と廃止の理由を述べた。

答弁を求められた山田修村長は「一定程度の役割を果たしたことと国の制度でカバーできればいいと考えた。今後、何が行政としてできるか、必要な支援の在り方を考えたい」と方針は見直さない考えを示した。

廃止されるのは身体、精神障害者などを対象とした村独自の助成制度九つ。障害者手帳を取得するために必要な診断書料や通所事業所への交通費などの一部を給付する。この中で、指定難病と関節リウマチ患者への医療費助成は、代わりに見舞金として全ての対象者に支給する。これによって月額上限4千円(年4万8千円)から一律で年額1万5千円になり、支給者は増えるが1人当たりの金額が減る人もいる。

当事者や親らが問題視するのは方針決定のプロセスだ。村は、地域福祉について協議する「村障がい者総合支援協議会」の2月下旬の会合で助成金の見直しを「報告」という形で済ませ、事前の意見交換はなかった。これに対し、協議会長で「村心身障がい児者親の会」の鈴木芳江会長(67)は「廃止の理由があいまいなものもあり、協議会などの関係機関を無視している」と批判。山田村長とも面会し、見直しを求めた。

また同協議会委員で、自身も身体障害のある県地方自治研究センターの有賀絵理研究員は「障害者の人権尊重を無視している。廃止するに当たって村から誠意や事前説明があれば、何が何でも反対というわけではない」と指摘する。

「廃止するという通知が突然届き、親も本人もびっくりしている」。精神障害の息子2人がいる村内在住の大貫操さん(76)は戸惑う。大貫さんも同協議会の委員だ。息子2人は通所施設までの交通費と診断書料の一部助成など計五つの事業を受けている。

障害年金や障害者手帳の更新手続きのたびに診断書は必要だ。診断書料は3千〜1万円超といい、2分の1は助成金で賄っている。大貫さんは「助成金はたいした金額ではないかもしれないが、息子2人は障害年金頼みの状態で生活している。一人親の私が亡くなった後が不安」とこぼす。

村障がい福祉課は、今回の対応について「方針が決まっていない中、不確かな情報を協議会では出せなかった」と釈明する。

取材に対し、山田村長は一連の経緯について「関係者と細かいやりとりができなかった。村の政策全般において、なるべく早く住民にアナウンスできる仕組みを検討したい」と話した。(斉藤明成)



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