《新型コロナ・影響》茨城県内飲食店 難局打開 託す宅配
■自転車で出前/他店とリスト
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、茨城県内の飲食店は書き入れ時の3〜4月、卒業式や送別会など大口の予約が軒並みキャンセルとなり、売り上げ減に直面している。外出自粛要請による来店客の減少も苦境に追い打ちを掛ける。店の存続すら危ぶまれる中、ピンチをチャンスに変えようと、自転車を使った出前など新業態のデリバリー(宅配)サービスや、宅配可能な飲食店のリスト化などに光明を見いだす店舗が現れ始めた。
■「お使い」もOK
JR土浦駅ビル(土浦市)のサイクル拠点「プレイアトレ」内にある、飲食店を中心とした複合店舗「ステーション・ロビー」。カフェやレストランがあり、同駅の利用者らで普段は賑わっていた。
同店舗を運営する「Suum&co.」(東京)の坂本修武社長(38)によると、感染拡大の影響で2月下旬から客足が減り始めた。3月の売り上げは、1月と比べ約6割減まで落ち込んだ。
外出自粛の動きがさらに強まったことを受け、「自転車のまち」土浦市ならではの配達方法で勝負を懸ける。今月6日から中華と洋食のデリバリーを自転車で開始。注文の際、一緒に必要な物を伝えれば宅配の途中でコンビニなどに寄る「お使い」も請け負う。
メニューは洋食がハンバーグやステーキ、中華が油淋鶏(ユーリンチー)や焼きギョーザなどで、約20種類を用意する。配達員は商品を専用バッグに背負って運ぶ。自転車のため、配達圏は店から約2.5キロを目安にしている。
同社は今後も、在宅者向けのサービスを打ち出す予定。写真共有アプリ「インスタグラム」を通し、簡単に作れるパスタなど同店料理人による調理動画の配信を始める。
坂本社長は「自宅で過ごす時間が増える中で、少しでも食事で元気を届けたい」と話す。
■売り上げクリア
利根町羽根野の洋食店「レストランドルチェ」もデリバリーに乗り出し、弁当を新たに開発した。
価格は千円と1500円で、メニューは各3種類。店の売りであるハンバーグや、チキンソテー、ロコモコなどを用意した。初日の10日は、店の座席数と同等の注文21食分が入り、1日当たりの売り上げ目標をクリアした。
配達地域は町内と隣接する龍ケ崎市南が丘を想定。常連客だけでなく、新規開拓に結び付けたい考えだ。
ドルチェは会員制交流サイトのフェイスブックと、インスタグラムでデリバリー開始を告知する。課題はインターネット環境のない高齢者世帯への周知だ。
シェフの伊井正徳さん(48)は、町内の中華料理店や和食店と連携し、デリバリーやテークアウト(持ち帰り)に対応できる店名とメニューのリストアップに取りかかった。同町も、町内飲食店の底上げにつながる動きに共鳴。このリストを載せたチラシを回覧板で回し、町民に知らせる予定だ。
難局に突き当たり「黙っているか、ここで動くか」(伊井さん)が鍵となる。感染拡大のピンチをチャンスと捉え、積極的に打って出る。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、茨城県内の飲食店は書き入れ時の3〜4月、卒業式や送別会など大口の予約が軒並みキャンセルとなり、売り上げ減に直面している。外出自粛要請による来店客の減少も苦境に追い打ちを掛ける。店の存続すら危ぶまれる中、ピンチをチャンスに変えようと、自転車を使った出前など新業態のデリバリー(宅配)サービスや、宅配可能な飲食店のリスト化などに光明を見いだす店舗が現れ始めた。
■「お使い」もOK
JR土浦駅ビル(土浦市)のサイクル拠点「プレイアトレ」内にある、飲食店を中心とした複合店舗「ステーション・ロビー」。カフェやレストランがあり、同駅の利用者らで普段は賑わっていた。
同店舗を運営する「Suum&co.」(東京)の坂本修武社長(38)によると、感染拡大の影響で2月下旬から客足が減り始めた。3月の売り上げは、1月と比べ約6割減まで落ち込んだ。
外出自粛の動きがさらに強まったことを受け、「自転車のまち」土浦市ならではの配達方法で勝負を懸ける。今月6日から中華と洋食のデリバリーを自転車で開始。注文の際、一緒に必要な物を伝えれば宅配の途中でコンビニなどに寄る「お使い」も請け負う。
メニューは洋食がハンバーグやステーキ、中華が油淋鶏(ユーリンチー)や焼きギョーザなどで、約20種類を用意する。配達員は商品を専用バッグに背負って運ぶ。自転車のため、配達圏は店から約2.5キロを目安にしている。
同社は今後も、在宅者向けのサービスを打ち出す予定。写真共有アプリ「インスタグラム」を通し、簡単に作れるパスタなど同店料理人による調理動画の配信を始める。
坂本社長は「自宅で過ごす時間が増える中で、少しでも食事で元気を届けたい」と話す。
■売り上げクリア
利根町羽根野の洋食店「レストランドルチェ」もデリバリーに乗り出し、弁当を新たに開発した。
価格は千円と1500円で、メニューは各3種類。店の売りであるハンバーグや、チキンソテー、ロコモコなどを用意した。初日の10日は、店の座席数と同等の注文21食分が入り、1日当たりの売り上げ目標をクリアした。
配達地域は町内と隣接する龍ケ崎市南が丘を想定。常連客だけでなく、新規開拓に結び付けたい考えだ。
ドルチェは会員制交流サイトのフェイスブックと、インスタグラムでデリバリー開始を告知する。課題はインターネット環境のない高齢者世帯への周知だ。
シェフの伊井正徳さん(48)は、町内の中華料理店や和食店と連携し、デリバリーやテークアウト(持ち帰り)に対応できる店名とメニューのリストアップに取りかかった。同町も、町内飲食店の底上げにつながる動きに共鳴。このリストを載せたチラシを回覧板で回し、町民に知らせる予定だ。
難局に突き当たり「黙っているか、ここで動くか」(伊井さん)が鍵となる。感染拡大のピンチをチャンスと捉え、積極的に打って出る。