2020年4月23日(木)

《新型コロナ》雇用縮小、宿泊先が休業 行き場失う生活困窮者

NPO、市民団体の支援も

NPOのシェアハウスに入居した女性。寝泊まりや食事を確保し、職探しを考えている=つくば市内
NPOのシェアハウスに入居した女性。寝泊まりや食事を確保し、職探しを考えている=つくば市内

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、生活困窮者の日常が脅かされている。休業や営業自粛で雇用環境が縮小しているほか、ネットカフェなど低料金で宿泊に使える居場所も休業が相次いでいるためだ。こうした困窮者を支援するNPOや市民団体は、行き場を失った人に住まいや食事を提供する取り組みを進めている。

■所持金底突く

「住む所と食事を得られて一安心。ほっとしているし、ありがたい」

今月16日夜、つくば市内にある閑静な住宅街の2階建て住宅で、40代の無職女性は息をついた。

女性は2月いっぱいまで、県内で宅配便の荷物を仕分ける派遣労働者として働いた。深夜勤務は心身にこたえ、疲労も蓄積した。さらに新型コロナの影響が広がった3月になると派遣の仕事を切られた。

家庭の事情で県内の実家にいられなくなった。短期の仕事を繰り返しながら、県内や首都圏を転々とした。週単位の短期賃貸マンションにも滞在したが、管理会社から「次の予約が入っているため出てほしい」と言われ、泊まる場所がなくなった。

女性は、県南地域のネットカフェを探して寝泊まりした。ネットカフェの利用料金は24時間3千円。感染におびえながら、10日ほど過ごしたところで所持金が底を突いた。ネットカフェも営業自粛の対象になり、泊まれない。役所に相談し、シェアハウスを紹介された。

■衣食住を確保

シェアハウスの家賃は月3万円。敷金・礼金はなく、光熱費込み。保証人がいなくても入れる。

食事は、寄付された食品を提供する「フードバンク」を利用することができる。当面の衣食住には困らなくなった。

女性は今後、自立を目指すつもりだ。以前働いていた派遣の仕事に就こうと思ったが、「応募が殺到して漏れてしまった」。

現実は厳しい。「何とか生活していきたい」と前を向く。

■支援で再生を

住宅を提供したのは、県指定居住支援法人で、生活困窮者らを支える一般社団法人「LANS(ランズ)」(つくば市)。シェアハウスは4人が入居できる。現在、女性2人が生活している。2年間入居できる契約だ。

浅井和幸代表理事は「ここで支援を受けながら、生活を立て直してほしい」と希望する。

女性は昨年、長年勤めた仕事先で肋骨を折り、仕事を休んだ。労災も出ず、その後は短期の仕事が続いた。

「一度つまずくと仕事も生活も厳しくなり、困窮につながる」と浅井さん。生きていくには最低限の預貯金が必要となる。常勤で働けるよう後押しし、「その人にとってどんな生活がいいか、希望に添う形で支援できれば」と考えている。

国は、コロナ関連で収入が減った低所得者向けに、家賃などを補助する制度も用意する。しかし、補助の割合が国と自治体の折半のため、制度のない自治体では困窮者が補助を受けられない事情もあるという。

浅井さんは「本当に苦しい人にとって家賃補助は大事。国や自治体には迅速で柔軟な対応をしてほしい」と強調した。(綿引正雄)



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