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《新型コロナ対策》遊漁船が自主休業 29日から、茨城県内全域

港に多くの遊漁船が泊まっている鹿島灘漁港=27日、鹿嶋市平井
港に多くの遊漁船が泊まっている鹿島灘漁港=27日、鹿嶋市平井


新型コロナウイルス感染拡大の影響で、釣り客向けの遊漁船が茨城県内全域で営業自粛することを決めたことが28日、分かった。期間は29日〜来月6日まで。県遊漁船協議会(岡部康治会長)に加盟する130隻余りが対象となる。全県レベルで自主休業に踏み切るのは初めて。同協議会の担当者は「繁忙期に異例の決定となった」と話す。

営業自粛するのは、平潟(北茨城市)▽川尻、久慈町、久慈浜丸子(日立市)▽磯崎、那珂湊(ひたちなか市)▽大洗町▽鹿島灘(鹿嶋市)▽はさき(神栖市)-の各漁協に所属する遊漁船。

政府が7日に緊急事態宣言を出したことを受け、各地の遊漁船業者から同協議会に「県全体で足並みをそろえて自粛した方が良いのでは」という声が上がり、今回の決定に至った。

同協議会によると、2008年7月に原油価格高騰に伴う燃料費上昇で、県全体が一日休漁した際も、遊漁船は各漁協の判断に委ねられていた。全漁協が一斉に自主休業するのは初めてとなる。

加盟船の半数に当たる68隻が所属する鹿島灘漁協では、利用客の約9割が東京、埼玉、千葉など県外居住者で、緊急事態宣言の発令直後から予約キャンセルが相次いでいた。

同漁協遊漁船部会事務局の横田一将さん(33)によると、ゴールデンウイーク(GW)初の週末となった25、26日の客足は、例年に比べ7〜9割減だったという。横田さんは「GWは『こどもの日』もあって親子連れが多く、1年で一番の稼ぎ時。死活問題だ」と険しい表情を浮かべた。

同漁協はこれまで、乗船前のアルコール消毒や検温、マスク着用などの感染予防策を実施してきた。ただ、利用客は安全上、船の移動時にキャビンか船の後方に集まる必要があり、一時的に「3密」状態になることがある。

この時季の鹿島灘は、ショウサイフグやマダイ、ヤリイカなどが人気魚種となっている。横田さんは「例年は思い出づくりの場になっていたのだが…」と肩を落とし、「船長からは『しょうがない』という声が多い。遊漁船から感染者を出さないことが大事だ」と語った。(藤谷俊介)

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