新型コロナウイルス感染拡大により外出や他県への移動が自粛されている中、茨城県内交通機関が軒並み打撃を受けている。茨城空港(小美玉市)の空の路線は全面運休、鉄道やバス路線も乗客が大幅に減っている。ゴールデンウイーク(GW)を迎えても、例年と全く違う閑散とした状況が広がっている。

例年なら帰省客でにぎわうはずの鉄道。JR常磐線の特急は空席が目立つ。JR水戸支社によると、特急の1〜26日の指定席予約状況は4月26日現在、前年比24.5%まで落ち込む。臨時列車も運行していない。

つくばエクスプレス(TX)は、昨年のGW初日(4月27日)と、今年(4月29日)の乗客数を比較したところ、8割減となった。都心からのアクセスが便利なTXは、さらなる利用減少も想定される。

高速道路は、例年のような渋滞は見られない。日本道路交通情報センターによると、今年のGW初の祝日となった4月29日は渋滞が全く発生せず、3日も午後4時現在、目立った渋滞情報はない。毎年発表されるGW期間の渋滞予測情報も発表しなかった。

空の便は2日から、茨城空港の国内線、国際線全てが運休となった。県空港対策課によると、昨年3月の空港利用者数は7万2083人だったが、今年3月は2万6628人で6割減。4月も大幅に減少する見込み。国内線を運航するスカイマークによると、昨年のGWの搭乗率は平均89%で、今年は4月25日〜5月1日に18%と急減した。

東京駅行き高速バスも乗客は少ない。JRバス関東水戸支店によると、水戸駅-東京駅間は、3月から段階的に減便を始めた。例年ならGWは満席となり臨時増発していたが、今年は4月29日以降、乗客が1台数人程度にとどまっている。

鹿島神宮駅-東京駅間は今月1日から、通常運行時より8割減らし、1時間に1本程度の18往復に減便した。茨城交通のホームページによると、本来なら「笠間の陶炎祭(ひまつり)でにぎわう秋葉原駅-笠間・益子間の「関東やきものライナー」も1往復に減った。

茨城空港が減便、運休となるのに合わせ、県内主要駅と茨城空港を結ぶ高速バスも相次ぎ運休している。