2020年5月17日(日)

足かけ30年、引力発電装置を開発 鹿嶋の竹下さん、大野さん 国際特許出願中

30年かけて「引力発電装置」を開発したサンテルの竹下輝美さんと大野三也さん(左から)=鹿嶋市中
30年かけて「引力発電装置」を開発したサンテルの竹下輝美さんと大野三也さん(左から)=鹿嶋市中

■実用化、普及目指す

鹿嶋市の男性2人が、足かけ30年の研究の末に「引力発電装置(タービン)」を開発した。てこの原理を活用したシンプルな構造ながら、太陽光や風力のように季節や環境に左右されないため、計画発電も可能という。完成した装置は国際特許出願中で、2人は「場所を問わず設置可能で災害時にも活用できる」と語り、実用化に向けて企業の参画を呼び掛けている。

開発したのは、発電設備製造業の「サンテル」(同市中)の竹下輝美さん(74)と大野三也さん(79)。

石油資源枯渇の可能性が叫ばれた1980年代半ばごろ、クレーン運転士だった大野さんが石油資源に頼らない発電装置の研究を開始。その3年後に竹下さんが合流し、二人三脚で装置の仕組みや試作品の研究を続けてきた。

同装置は、地面と垂直に設置したアームの両端に容器、中央には主軸を配置。容器内に水を入れてポンプで行き来させ、てこの原理でアームが半回転する際に生じる落下エネルギーが主軸を回す仕組み。同社は現在、水の代わりに滑車を使って鉄製ブロックを上下に移動させる装置の国際特許を出願中だ。

これまで実用化された再生可能エネルギーは、太陽光や風力、バイオマス、地熱など。ただ、雨天時は発電できなかったり、導入時や燃料輸送のコストがかかったりするデメリットがあった。

同社によると、引力発電は、設置場所を選ばず「常時安定した発電量が継続できる」(竹下さん)。国が定めた再生可能エネルギー「固定価格買取制度」対象外のため、電力卸売市場で取引する必要はあるものの、1キロワット当たりの設置費用は風力発電の6〜7割程度に抑えられるという。

30年かけた研究を完成させた2人。大野さんは「失敗と原因究明の連続だったが、(同装置を)作るために生きてきた」と感慨深そうな表情。竹下さんは「大野さんが『諦めなかった』ことに尽きる」とたたえた。

当面の課題は、主軸の回転エネルギーを電力に変換する同期発電機の入手と、実用化に向けた企業の協力。今後は、自治体や病院、高齢者施設など社会インフラとしての普及を目指す。

竹下さんは「引力発電なら災害時のブラックアウトも回避できる。1台でも稼働させられれば」と同装置の出来栄えに自信をのぞかせた。



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