2020年5月25日(月)

《リポート》石岡市長選 候補者主張ネット配信

市民メディア アプリで取材、動画投稿

石岡オンライン対話の会が掲載した3候補のインタビュー動画サイト
石岡オンライン対話の会が掲載した3候補のインタビュー動画サイト

現在、選挙における候補者の主張を有権者に届ける役割は、既存メディアや選管公報、青年会議所(JC)主催の公開討論会が担うのが一般的。そんな中、先月行われた石岡市長選で、複数の市民グループがインターネットを駆使した主張報道を試みた。そうした「市民メディア」の動きを紹介する。(石岡支局・藤崎和則)

▽大学との連携
「市長が突然辞職し急な選挙になって、友人と『候補者のことがよく分からないね』と話し決意した」。「石岡オンライン対話の会」の姜(かん)咲知子さん(44)は、主張報道に取り組んだきっかけをこう話す。

姜さんは同市柿岡で農場を運営している。知人の同市小倉、アーティスト、平方亜弥子さん(50)らに声を掛け、急きょ3人で会を結成。全国の選挙に関わっている「早稲田大学マニフェスト研究所」へ協力を依頼した。

政策アンケートの分析結果は、同会が持つ専用ホームページへ掲載。姜さんたちは告示日前日にビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使って3候補にインタビューし、それぞれ個別に動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信した。

最終的な再生回数は3人とも600回を超えた。姜さんは「回数が候補者で偏らなくてよかった」と胸をなで下ろす。その上で「投票直前になって再生回数が伸びた。投票の参考にしてもらえたのかなと思う」と、手応えも感じている。

▽投票を後押し
「新石岡市を考える市民の会」(杉本美江代表、会員約50人)が、初めて市長選立候補者の主張報道に踏み切った理由も、やはり市長の急な辞職だった。

同会は2005年の旧石岡市と八郷町の合併を機に立ち上げた。これまで行われた市長選で動くことはなかった。それが今回は「短期決戦では市民にどれだけ訴えが届くかと」(同会事務局)と懸念。3候補へアンケートを行い、その回答を会の交流サイト「フェイスブック」に掲載。そのほか、同会員の知人・友人らへ回答チラシ約200枚を配布するなどした。

事務局は「新型コロナウイルスの影響で、会員みんなで質問項目を掘り下げられなかったのは残念。でも投票に行かないと言っていた知人がチラシを読んで『行くことにした』と変わってくれた。やってよかったと感じている」と話す。

▽「必要な存在」
こうした市民メディアの動きについて、自治体政策に詳しい元法政大大学院講師の横須賀徹さんは「ローカルメディアがネットなどの影響で次々となくなっていき、『地域権力』を監視する力が弱まっている中で、必要な新しい存在意義を見せた」と評価する。

一方で「市民メディアであっても情報を正しく伝えること、受け取る側もそれが公正なものであるかを確認することが大切」と注意を喚起する。

「対話の会」は、当選した谷島洋司新市長へ市政運営などをインタビューした。市民メディアが今後どんな発信をしていくか、注目されそうだ。



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