2020年6月2日(火)

鹿島神宮、祭頭祭・神幸祭に影 新型コロナで行事、相次ぎ中止

「祭頭囃」は見合わせ 「提灯まち」実施せず 安全確保、準備遅れ懸念

囃し人が樫棒を組み鳴らす祭頭囃=鹿嶋市宮中、2019年3月9日
囃し人が樫棒を組み鳴らす祭頭囃=鹿嶋市宮中、2019年3月9日

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、鹿島神宮(鹿嶋市宮中、鹿島則良宮司)の祭事に異変が起きている。春の「祭頭祭」(3月)は一部のみ行われ、秋の「神幸祭」に関連する祭事は中止が決まった。歴史ある同神宮の祭事を見合わせるのは異例。同神宮は「関係者とよく協議し決定した。ご理解いただきたい」としている。

■当番字繰り下げ

同神宮によると、毎年春に実施されていた祭頭祭のうち、「祭頭囃(ばやし)」と「春季祭」は見合わせ、来年の祭りの中心的な役目を果たす「当番字」は、今年の担当地区・溝口郷(神栖市)が引き続き担う予定。

同神宮や祭頭囃保存会、当番字の代表者などが4月から、延期した祭典の実施について協議を重ねていた。

祭頭祭は、五穀豊穣(ほうじょう)や天下泰平を願って行われる国選択の無形民俗文化財。「防人(さきもり)」の旅立ちと帰還にまつわる祭りという説もあり、出発時の「祭頭祭」と帰還時の「祭頭囃」、次の当番字を決める「春季祭」の三つに大別される。

祭頭囃は、一連の祭事で最大の見せ場。華やかな衣装を身に着けた囃し人が樫棒(かしぼう)を組み鳴らし、門前町を練り歩く。今年は3月14日に200人以上が参加する予定だったが、規模を縮小した祭事と来年の当番字を決める「卜定(ぼくてい)」のみが、3月9日に執り行われた。

溝口郷の祭事委員長、仲内清治さん(71)は「いつできるのか心配だったが、来年奉仕できることになりほっとしている」と胸をなで下ろした。

祭頭囃を1年繰り下げて実施することから、来年の当番字に決まった泉川郷(鹿嶋市)と居合郷(同)は、再来年の当番字となる。

■寄付金集め困難

神幸祭(9月1、2日)に合わせて実施される「提灯(ちょうちん)まち」は中止が決まった。主催する「鹿島神灯鯰(しんとうなまず)会」(長岡仁会長)によると、参加者や見物客の安全確保と、準備や運営に係る寄付金を募ることが難しいことが理由。参加団体の中には、4月中旬から準備を始める団体もあるため、早期の中止決定に踏み切った。同会によると、毎年約600人が参加。今年は16団体が奉納し、例年と同規模の開催を見込んでいたという。

提灯まちは、氏子たちが提灯で飾り立てた大きな青竹を奉納する祭典。奉納する一団が、四方から引いた縄で青竹を激しく揺らしたり、境内で燃えさかる「かがり火」へ青竹を投げ込んだりする様子が見どころとなっている。長岡会長(45)は「約30年関わるが、中止になったのは初めて。楽しみにしている人も多い、苦渋の決断だった」と声を落とした。

同神宮は「この国難の不安が解消されましたら、関係者と共に手を取り合って祭典を盛大に執り行いたい」と来年を見据えた。



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