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江戸時代に建設「十石堀」ジオラマで 北茨城市歴史民俗資料館 測量データで正確に

十石堀の姿を立体的に紹介するジオラマ=北茨城市磯原町磯原
十石堀の姿を立体的に紹介するジオラマ=北茨城市磯原町磯原


江戸時代に北茨城市中郷地区に建設され、昨年「世界かんがい施設遺産」に選ばれた農業用水路「十石堀(じゅっこくぼり)」の姿を立体的に紹介するジオラマが、同市磯原町磯原の市歴史民俗資料館に展示されている。山間部から平地までの水の流れが一目で分かる内容だ。

ジオラマは60センチ×115センチで硬質発泡材製。縮尺は7700分の1。

水路部分は水色になっており、同市西側の森林に覆われた山から東側の田園地帯に向かって延びていることが分かる。水門や分水工の位置を表示しているほか、掘削して二つの沢をつないだ導水路「掘割」部分のみを拡大したジオラマもある。

十石堀は水不足に苦しむ農民を救おうと1668年に着工した農業用水路で、完成から350年がたった今も住民たちが維持・管理を絶やさず、現役で利用されている。延長は約15.5キロ。

地元住民でつくる十石堀維持管理協議会が、ジオラマを製作。市が窓口となり、ジオラマの製作会社とやりとりした。市の担当者は「地図や測量データを落とし込んで正確に作ってもらった」と話す。

実際の十石堀は、上流部分に関係者以外が足を踏み入れることは難しく、また地図では平面にしか把握できないため、ジオラマを作ることにしたという。

担当者は「山の中から水を引いている工夫を理解してもらえれば」と話している。

同館は新型コロナウイルス感染拡大を受け3月11日から2カ月半にわたって休館していたが、5月26日に通常開館を再開した。

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