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《新型コロナ》下妻の給食業者 我慢の経営、待望再開 久々、ご飯盛り付け

ご飯を入れた容器にふたをする従業員ら=下妻市平方の平方パン
ご飯を入れた容器にふたをする従業員ら=下妻市平方の平方パン


新型コロナウイルス対策に伴う臨時休校が終わり、通常登校が8日から始まり、給食も再開された。下妻市や近隣の小中学校に給食用の米飯やパンを製造、配送する同市平方の平方パンは、久々に従業員らが炊飯や盛り付け作業に追われた。我慢の経営を続けていた上野要代表(70)は、待望の再開に「ほっとした」と胸をなで下ろしつつ、「コロナでいつ工場が止まるかもしれないというのは怖い。安定した稼働を続けたい」と話していた。

平方パンは1954年創業の学校給食専門業者で、上野代表と家族が経営している。米飯とパンを加工する工場があり、下妻、桜川、筑西、常総の4市の小中学校や特別支援学校など約45校に供給している。

この日、各地の公立校で待望の給食が再開。米飯工場は午前5時ごろから準備に入り、容器の洗浄、炊飯、70〜110グラムまで四つの分量に合わせた盛り付けが行われた。約6500食分が届け先ごとの箱に収まり、配送車両が順次出発した。

新型コロナ拡大の影響で、製造作業は2月下旬にストップ。3月は全面休業し、4月は2日間の稼働にとどまった。5月下旬からようやく一部の学校向けにパン製造を再開した。

収入が全く見込めない中、政府系金融機関に4月下旬、融資を申し出た。しかし、工場の電気代やメンテナンス、パート従業員の賃金、配送車両の維持費などが重なり、苦しい状況が続いた。

少子化の影響でただでさえ厳しい経営が続く中での「コロナショック」に、上野代表は「いつ収束するのか、4、5月は不安で不安で、倒産も頭をよぎった」と吐露。この日、米飯を無事作り終え、日常を取り戻す一歩を刻んだ。

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