2020年6月19日(金)

東海第2原発再稼働 県民投票、茨城県議会委員会否決

条例案反対、賛成を圧倒 「二者択一」難しさ指摘

県民投票条例案について会派を代表して反対意見を述べる最大会派いばらき自民の白田信夫議員会長(中央)=県議会予算特別委員会室
県民投票条例案について会派を代表して反対意見を述べる最大会派いばらき自民の白田信夫議員会長(中央)=県議会予算特別委員会室

日本原子力発電東海第2原発(東海村)の再稼働の賛否を問う県民投票条例案が18日、茨城県議会第2回定例会防災環境産業委員会(下路健次郎委員長)で、賛成少数で否決された。

採決前に行われた連合審査会では、県議会最大会派で同委の過半数を占めるいばらき自民が、県民投票の期日が明示されていないことやエネルギー政策の問題を論点に反対を主張。県民フォーラム、公明も反対を表明し、一部会派の賛成意見を圧倒した。


県議会議席の7割を占めるいばらき自民は、多くの署名を集めた請求者や署名者に敬意を表した上で、会派の総意として反対を表明した。

白田信夫議員会長は(1)安全性の検証(2)実効性ある避難計画の策定(3)県民への情報提供-を条件に示し、「三つの条件がそろった上で県民や避難計画を策定する市町村、県議会の意見を聞くのが適切。県民の意見を聞く方法だけ先んじて決めることは妥当でない」と述べた。

条例案に県民投票期日が明示されていないことは「現在の議員の任期中に投票が行われず、次の任期の議会の判断を縛る」と可能性を指摘した。

白田氏は、原発の技術開発から安全基準、設置まで国が大きく関与していることに触れ「最終段階の稼働するか否かは、各自治体の個別の条例に依拠するのではなく、法令の中に位置付けることが望ましい」とした。「○」か「×」の二者択一の難しさも指摘した。

県民フォーラムの二川英俊氏は、条例案と再稼働の賛否を切り離した議論に懸念を表明。「県民投票の結果は法的拘束力を持たず、議会や首長の判断に制限を掛けるものではないものの、間接民主主義における議会と首長の議論に大きな制限が掛けられる懸念がある」とも指摘した。

公明の田村佳子氏は、再稼働に対する県民意見は多様として「二者択一で意見を求めることに慎重であるべき」と述べた。安全性検証や14市町村に策定が義務付けられた避難計画の進捗(しんちょく)の遅れを挙げ、「県民に必要な情報提供ができない」とした。

賛成を表明したのは共産、立憲民主。共産の江尻加那氏は、県民投票条例を望む署名について「人の命や生活に関わる大きな問題について、より多くの県民が向き合い、考え、決定に自分も参加したいという当事者としての思い」と声を強めた。

立民の玉造順一氏は「原発再稼働は県民の命と生活に直結する問題。請求代表者の意見は再稼働そのものの是非を超え、広く県民に受容される」とした。無所属の中村勇太(はやと)氏も賛成の立場で「知事に直接請求された条例案は、住民自治の観点から重く受け止めるべき」と意見した。

閉会後、自民の白田氏は、会派内で有識者を招いた独自の勉強会を重ねてきたことなどを強調。「全員が反対で、賛成は1人もいなかった」と明かした。



【県民投票条例案に対する各会派の意見要旨】
(会派 賛否/意見)
■いばらき自民 反対
安全性検証など条件がそろう前に、県民意見の聴取方法だけ先に決めるのは妥当でない

■県民フォーラム 反対
投票結果は法的拘束力を持たないが、議会や首長の議論に制限をかける懸念がある

■公明 反対
安全性検証や避難計画策定が遅れており、県民の判断に必要な情報提供ができない

■共産 賛成
多くの署名は、人の命や生活に対する問題について、県民の当事者としての思い

■立憲民主 賛成
請求代表者の意見は、再稼働そのものの是非を超え県民に受容される



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