2020年7月3日(金)

《新型コロナ》外国人実習生の転職後押し ホテル休業、農業へ 鉾田の支援機関

転職を希望する外国人技能実習生に今後のスケジュールを説明する「交流中心」の馬興栄専務(右奥)=鉾田市鉾田
転職を希望する外国人技能実習生に今後のスケジュールを説明する「交流中心」の馬興栄専務(右奥)=鉾田市鉾田

新型コロナウイルスの影響で実習先を失った外国人技能実習生について、別の業種で受け入れる動きが茨城県内で始まった。外国人登録支援機関のコンサルタント業「交流中心」(鉾田市)は、実習生の在留資格変更を手助けし、人手不足の農業など異業種への転職を後押ししている。同社は「国内にいる人材をうまくマッチングさせ、困っている人たちの助けになれば」としている。

■3週間研修

「これから、ここで農業について勉強してもらいます」。6月29日、交流中心の運営する鉾田市内の技能実習生研修センター。県外のホテルグループで働いていた中国人実習生16人が、今後のスケジュールについて説明を受けた。同センターで3週間ほど農業の基礎知識を学び、新しい職場に配属される。

母国より高い賃金を求めて来日したという楊来運さん(27)は「働けずに困っていたので助かった」と喜んだ。

実習生たちは昨年9月から11月にかけて来日したものの、新型コロナの影響で今年に入って実習先のホテルが休業。実習継続が困難になり、転職を希望した。

■来日できず困惑

同社は5月下旬、中国人実習生たちを受け入れた栃木県内の監理団体から相談を受けた。一方で、コロナ禍で実習生が来日できず、人手不足に苦しむ鉾田市内の農家の実情も耳に入っていた。

同社の馬興栄専務は「関係団体と情報を共有すればやれることがある」と、両者をつなげる取り組みを始めた。16人の受け入れ先は、協力関係にある同市内の監理団体を通じて探した。

同市半原の大葉生産農家「ホッタバイオファーム」は10人の中国人を受け入れることになった。越野秀平社長は「6月までに予定していた実習生の来日ができなくて困っていた。生産のピークを迎える夏場に向けて人手が必要だったので、ありがたい」と取り組みを歓迎する。

■受け入れ協力を

在留資格の「技能実習」は、あらかじめ決められた業種でしか働けず、職場の移籍もできない。国は現在、コロナ禍で職を失った実習生が継続して働けるように、異業種でも最大1年間働ける「特定活動」に変更することを特例で認めている。

交流中心では、在留資格を円滑に変更できるよう実習生の申請を支援する。申請が通るまで転職先の業種に関する研修を実施し、寮を用意して生活面のサポートもしている。

特例による在留資格の変更は、特定活動の間、昨年4月に新設された転籍可能な在留資格「特定技能」を目指すことが条件になる。

同社は、今後も転職を希望する実習生を受け入れていく方針で、資格移行もサポートするという。馬専務は「実習生の受け入れ先がまだまだ少ない。協力してくれる企業、団体を募っていく」と力を込めた。



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