2020年7月6日(月)

健康マージャン、賭けなくても楽しい現場 「賭け問題」で悪印象心配

マスクやフェースシールドを着けて健康マージャンをする愛好家ら=龍ケ崎市佐貫町
マスクやフェースシールドを着けて健康マージャンをする愛好家ら=龍ケ崎市佐貫町

検察幹部が辞職し注目を集めた賭けマージャン。そのマージャンから不健康な部分を排した「健康マージャン」が、茨城県内の高齢者を中心として、幅広い年代に浸透している。愛好家が心配するのは、検察幹部の問題による競技の印象悪化とともに、新型コロナウイルスの対策だ。賭けマージャン問題をどう受け止め、新しい生活様式でどのように「3密」を避けて卓を囲むのか-。賭けなくても楽しい現場をのぞいてみた。

■シールド着用
「これ着けたままだと暑いね」「我慢しなきゃ」

6月20日午前の龍ケ崎市内。牌(はい)を交ぜながら、お年寄りが会話を交わす。NPO法人「あすなろ福祉市民の会」(同市)が運営する健康マージャンだ。

新型コロナウイルスの感染予防で、参加者はマスクやフェースシールドを着けて卓に着いた。会場に酒やたばこは一切ない。代わりにお茶や菓子が出る。

1988年設立の日本健康麻将(マージャン)協会(東京)が提唱する健康マージャンは、三つの「ない」が特徴。(金品を)賭けない▽(酒を)飲まない▽(たばこを)吸わない-が原則だ。協会事務局によると、手や頭を使うことで脳の活性化になるとの調査結果もある。

13年前に本県で開かれた高齢者の祭典「ねんりんピック茨城2007」では、正式種目に初採用された。同NPOが厚生労働省などに要望し、龍ケ崎市での開催が実現した。

NPO事務局の細野文俊さん(74)は「かつてマージャンのイメージは良くなかった。奔走した当時の代表者たちは大変だったと聞いている」。

■垣根取り払う
健康マージャンは現役世代のコミュニケーションにも一役買う。取手市職員でつくるサークル「T.C会」は、旧藤代町との合併を機に15年ほど前に発足した。職員間の垣根を取り払うのが狙いだった。

約20人が所属し、月1回、創設者で市議会事務局次長の岩崎弘宜(ひろまさ)さん(46)宅やマージャン店で楽しむ。2千円程度の参加費を集め、運営費やユニホーム代に充てる。

新型コロナの感染予防で現在はお休み。スマートフォンのアプリで代用する。岩崎さんは「マージャンは打ち方で人柄が分かる。会話にはもってこい。部署間の連携にもつながる」と強調する。

ただ、賭博と思われないよう気を使うという。岩崎さんは「昔の悪い印象を持たれては悲しい。新型コロナに感染してしまうと『健康』でもなくなる。当面は我慢」と話す。

■「やってみて」
未成年にも輪は広がる。岩崎さんも県代表で出た「全日本健康麻将選手権」(17年〜)は、多世代向けの大会だ。昨年、東京で開かれた前回大会では、高校生を含む約130人が出場。文部科学省が後援し、馳浩・元文科相がビデオメッセージを寄せた。

主催する全日本健康麻将協議会の福山純生(よしき)理事(49)は「先人の努力で生涯学習のイメージがつくられたからこそ、文科省の応援も得られた」と受け止める。マージャンは運の要素が絡むため、「性別や年齢に関係なく対戦できるのも魅力」。

東京高検の黒川弘務元検事長が辞職した問題について福山理事は「(イメージダウンの)悲しいニュース」と捉えつつ、「賭けなくても楽しめることを知ってもらいたい」と普及に熱を入れる。

ある団体の幹部がつぶやいた。「黒川さんも健康マージャンをやってみればいいのに。楽しみが分かると思う」

★検察幹部の賭けマージャン問題
黒川弘務東京高検検事長(当時)が、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言中に、新聞記者らと金銭を賭けてマージャンした。週刊文春の報道で発覚し、黒川氏は辞職。懲戒処分は受けず、法務省の内規に基づく「訓告」にとどまった。処分の是非などを巡り政府は国会で追及された。



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