2020年7月14日(火)

「三大花火」最後のとりで、開催へ迫る決断 土浦全国花火競技大会 コロナで業者苦境

新型コロナウイルス収束祈願と医療従事者への感謝を込めた打ち上げ花火の準備をする山崎煙火の花火師たち=6月1日午後6時ごろ、境町、菊地克仁撮影
新型コロナウイルス収束祈願と医療従事者への感謝を込めた打ち上げ花火の準備をする山崎煙火の花火師たち=6月1日午後6時ごろ、境町、菊地克仁撮影

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、例年10月に開かれる土浦市の一大イベント「土浦全国花火競技大会」を巡って、開催か中止か地元関係者が頭を悩ませている。「日本三大花火」の新潟・長岡、秋田・大曲はいずれも中止と延期が決定。残る土浦は、イベント制限期間が終了する7月末前後に国が示す指針を待って決断する考えだ。市は「花火業者は苦境に陥っている。最後のとりでとして何とか開けないか」と模索を続ける。開催する場合も「3密」対策や入場制限など課題は山積している。

■大幅値上げ?

市商工観光課花火対策室によると、花火大会では新型コロナ対策(ステージ1)として、市は参加者名簿の作成や、人と人の距離(2メートル程度)の確保を実施するとしている。県の指針はさらに、スタッフ・参加者のマスク着用や消毒、検温の徹底などが加わる。

国は全国的な大規模イベントに関し、対応が整わない場合は中止か延期するよう求めている。ただ、人数制限は段階的に緩和する方針で、8月1日以降は撤廃する方向で検討している。国の判断を受けて県や市は方向性を決める。

土浦花火は桜川河川敷の有料桟敷席を販売。人の距離の確保は2メートルだと難しく、1メートル程度なら可能とみている。入場制限を行えば「入場料金の大幅な値上げが必要になる」(同課)という。桟敷席は例年約6千マスを用意。1マス(6人)は2万2千円だが、1マスを2人までに減らすと1人当たりの負担は約3600円から1万1千円に跳ね上がる。同課は「値上げをしてどれだけ席を買ってもらえるか」と頭を抱える。

■市民限定も一案

最も困難を伴うのが来場客の制限だ。土浦花火は70万人以上が訪れるとされ、桟敷席や河川敷のほか、会場を囲む水田や住宅地も見物客が押し寄せる。市は河川敷や土手に入れる人数の制限や、約700店集まる露店の規制も視野に入れる。

JR土浦駅前から花火会場までを結ぶシャトルバスは、乗車人数を抑えることは可能だが、バス待ち客の列や料金精算時に密をつくらない対策も求められる。感染者が再び増え続ける首都圏からの来場者は例年多い。実行委関係者は「来場者全員へのきちんとしたコロナ対策は難しい。来場を土浦市民に限定するといった抜本的な対策も必要ではないか」と一案を例示する。

花火大会は、花火が地上付近で破裂して客にけが人が出て中止になる事故が昨年まで2年連続で発生。この対策も求められる。

■膨らむ期待感

長岡や大曲の花火をはじめ、全国各地の大会が軒並み中止や延期となる中、花火業者が土浦に寄せる期待は膨らんでいる。

市が業者に行った聞き取りでは、製造を中断して従業員を休ませ、国のコロナ対策給付金や雇用調整助成金を申請する例が増えているという。県南のある業者は5月以降のキャンセルが相次ぎ、「予定していた大会はほとんどなくなり、売り上げはゼロに近い」と嘆く。

業者有志は6月、新型コロナ収束を祈願し、独自の打ち上げ花火を全国一斉に実施し、花火の必要性と存在感をアピールした。市は小規模の打ち上げや観賞ツアーを仲介する業者の支援を準備し、業者保護を目指す。

安藤真理子市長は「大会を支えてくれてきた花火業者が本当に苦しんでいる。何とか伝統を継承するため大会を開けないか。慎重に考えていきたい」と強調する。



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