2020年7月26日(日)

55回目の茨城県芸術祭、10催事見送り 新型コロナ警戒

高齢参加者多い舞台系 不測の事態警戒

昨年度の県芸術祭開会式。本年度は55回の節目に当たるが、新型コロナウイルスの影響で中止を決めた催事も多い=2019年10月、水戸市千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館
昨年度の県芸術祭開会式。本年度は55回の節目に当たるが、新型コロナウイルスの影響で中止を決めた催事も多い=2019年10月、水戸市千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館

秋を彩る「茨城県芸術祭」の2020年度の実施日程が発表された。本年度は第55回の節目に当たる記念年。だが、社会全体を覆う新型コロナウイルス禍の中で、7部門27催事のうち、「美術展覧会」など例年通り実施を見込む催事がある一方、高齢の参加者が多い舞台系の種目を中心に10催事が不測の事態を警戒して開催を見送った。過去に例のない寂しい年になりそうだ。

■17催事は実施
県芸術祭は、民間主体で毎年秋を中心に実施されている県民参加の文化芸術の祭典。県内の各分野の文化団体が結集して組織する「茨城文化団体連合(文団連)」が運営の中心となり、県の助成を受けて実施される。水戸市のザ・ヒロサワ・シティ会館(県民文化センター)などの施設を利用し、昨年度は約3万人もの県民が鑑賞した。

本年度はコロナ禍で、実施の是非自体が注目されたが、6月9日の運営協議会で実施を正式に決定。それを踏まえ、各種目の主管団体の代表を集めた同12日の実行委員会で、各団体に対し、同月末までに実施の可否を報告するよう求めた。その結果、17催事を実施し、10催事が中止となった。

■気を吐く美術展
「中止」とした種目を見ると、三曲、能楽、吟詠剣詩舞道、民謡民舞など会場にホールを使う舞台系で、高齢参加者が多い種目が目立つ。

県三曲協会の初見宗郷会長は「感染が出るのを恐れる声が多い。練習も十分にできる状況にない」という。またコンクール形式の音楽演奏会や、舞台装置などの専門要員を必要とする日本舞踊など、東京などから審査員やスタッフを呼べないという理由で実施を断念したところもある。

茨城交響楽団など四つのオーケストラ演奏会はいずれも、入場制限をしながら実施する。一方、吹奏楽は早々と中止を決めた。主管する県吹奏楽連盟は「他のコンクールが全て中止になっており、芸術祭だけやるわけにもいかない」(川名孝夫理事長)という。

そんな中、美術展覧会は気を吐いている。同芸術祭が誕生した経緯からも、展示作品数が1900点近くに上るという規模の面からも、祭典の一番の花形だ。主管する県美術展覧会の能島征二会長(文団連副会長、日本芸術院会員)は「(会場とする)近代美術館で問題なく企画展などが開催できており、『3密』対策にしっかり取り組めば、実施できる」と前向きだ。

■予断許さず
新型コロナを巡っては、5月中旬に緊急事態宣言が解除され、集客イベントなどの規制が緩和された。ただその後、東京を中心に再び感染者が増加傾向にあり、県も再び規制を強めつつある。「第2波」への警戒が怠れない状態だ。

民謡民舞関係の2催事のうち、県民謡民舞連合会が担う催事は、10月18日に大洗文化センター(大洗町)で実施予定だ。ただ、同連合会の川上一潮会長は「準備を進めていくが、今後の(感染の)状況によっては取りやめる事態もあり得る。高齢(の参加)者が多いので万が一のことがあってはいけない。8月末までには判断しなくてはならないだろう」という。

★県芸術祭
1966年から、芸術文化団体の主体的な運営により実施されている県民参加の芸術文化祭典。美術、音楽、舞踊、芸能、古典芸能、演劇・映画、文化の7部門からなる。主催団体は茨城文化団体連合(文団連)のほか、県、県教育委員会、いばらき文化振興財団、県教育財団、茨城新聞社。2020年度は10月3日から来年1月17日まで、水戸市など7市町で実施する。



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