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疫病退散願い大助人形 半世紀ぶりに制作 常陸太田・上利員町会

新型コロナウイルスの終息を願い大助人形作りに精を出す住民ら=常陸太田市上利員町
新型コロナウイルスの終息を願い大助人形作りに精を出す住民ら=常陸太田市上利員町
大助人形を上利員生活改善センターの入り口に設置する地域住民=常陸太田市上利員町
大助人形を上利員生活改善センターの入り口に設置する地域住民=常陸太田市上利員町


疫病や災厄の侵入防止と退散を願う「大助(おおすけ)人形」作りに、常陸太田市の上利員町会(木村義一町会長)が26日、取り組んだ。地域では40〜50年ほど前から制作が途絶えていたが、新型コロナウイルス感染症の早期終息を願って復活させた。出来上がった人形は集落の境などに飾り付けた。

人形作りは、同市上利員町の上利員生活改善センターで、町会の役員に住民ボランティアグループ「友和会」(菊池孝雄会長、15人)が協力して実施。小麦のわらを束ね、胴や腕、足を作る。トウモロコシの葉で作った陣羽織を着せ、ナスの輪切りをつばにした篠竹の刀を差した。半紙に墨で描いた顔を付け、腹の中には兵糧のまんじゅうを入れて、高さ1メートルほどの武者姿が完成した。

制作には13人が参加し、それぞれが子どもの頃の記憶をたどりながら計10体を完成させた。胴体に腕を付ける際の工夫や手足の向き、ひげの付け方などを、参加者が互いに教え合って、りりしい表情の中に、どことなくおどけた雰囲気もある人形に仕上がった。菊池会長は「子どもたちも参加できるような形で続けられれば」と満足そう。

完成した大助人形は同センターや熊野神社、集落の境など5カ所に飾り、8月後半まで設置する。木村町会長は「コロナ禍で各種行事が中止や延期となり、住民の間に閉塞(へいそく)感が漂っている。不安を少しでも取り除くことができれば」と願った。

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