2020年8月6日(木)

土浦の古書店 エコバッグ「預かります」 万引急増、苦肉の策

エコバッグを利用した万引被害に苦しむ古書店。客への「お願い」を記した張り紙がしてある=土浦市大和町の「つちうら古書倶楽部」
エコバッグを利用した万引被害に苦しむ古書店。客への「お願い」を記した張り紙がしてある=土浦市大和町の「つちうら古書倶楽部」

7月1日から始まったプラスチック製レジ袋の有料化でエコバッグ利用の機運が高まる中、土浦市の古書店が万引被害の急増に頭を悩ませている。来店者が持ち込んだエコバッグに本を入れて万引される被害が、7月だけで4〜5件あったという。同店の代表は「モラルの問題。本当にやめてほしい」と訴える。茨城県内の書店チェーンで同様の被害は確認されていないものの、対策強化に向けた研修を開くなど警戒を強めている。

■入り口に張り紙
土浦市大和町の古書店、「つちうら古書倶楽部」の入り口ドアには「開いたエコバッグ、口の開いた手提げバッグは必ずレジにお預けください。エコバッグ万引き多発のためご協力をお願いします」との張り紙がある。同店が張り紙の画像と共に「苦肉の策」とツイッターに投稿したところ、4千件以上リツイートされ話題を集めた。

同店によると、エコバッグを使った万引が疑われる行為を、7月だけで4〜5件確認した。万引は以前もなかったわけではないが、レジ袋有料化以降は明らかに増えた。

張り紙をした経緯について佐々木嘉弘代表(66)は「テレビでスーパーの客がエコバッグに商品を詰め込んで万引する場面を見て、うちも同じだと思った。対策を施さなくてはと決断した」と語る。

■防犯カメラ増設
エコバッグをレジカウンターに預けるという“奇策”は、「お客さんもエコバッグを持ち歩いて疑われるのは嫌だろう」と佐々木さんが考案した。7月1日以降、レジ袋は小(2円)と中(3円)、大(5円)の3種類を用意した。

同店は関東最大級の古書店とされる。売り場面積は約660平方メートルと広く、少なくとも25万冊の本を扱う。店内には防犯カメラが2基あるものの、死角もあって犯行を確認できたことはほとんどない。2万〜3万円する高価な図鑑や文集が持ち去られることもある。

「不審な人がいたら少し後をつけてみたり、見張ったりする。それでも防犯カメラの映像を全て見返す時間はない」と佐々木さん。店は高性能の防犯カメラ6台を近く導入する。張り紙をしてからは、万引と疑われる行為をする人は現れていないという。

■コロナと二重苦
新型コロナウイルスが影響し、東京都内で月2〜3回出店していた古本市は全てなくなった。県外からの来店客も減り、売り上げは大幅に減少している。万引被害の急増が加わって、店は二重苦に陥っている。

佐々木さんは「書店ではエコバッグを店に預けることが常識化してほしい。万引はばれないからいいなんてあり得ない。人としてモラルの問題。本当にやめてほしい」と憤る。

県内大手の書店も警戒感を高めている。川又書店などを展開する書店チェーンのブックエース(水戸市)は、一部店舗で今春から、不審な人物を見かけた際の声掛けについて従業員研修を始めた。今後は全店舗に研修を広げていく予定。エコバッグを利用した被害自体は「確認していない」としている。

書籍やゲーム、音楽CDなどのソフト専門店「ワンダーグー」を展開するワンダーコーポレーション(つくば市)も、今のところ被害は未確認だ。あいさつの徹底や客とのコミュニケーションを積極的に取ることで、日頃から万引防止に努めているという。



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