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《2020年夏季茨城県高校野球大会》3年生“完全燃焼” 好投手、活躍光る

18回を投げ無失点に抑えた霞ケ浦・山本=ひたちなか市民
18回を投げ無失点に抑えた霞ケ浦・山本=ひたちなか市民


第102回全国高校野球選手権茨城大会に代わる「2020年夏季茨城県高校野球大会」(県高野連主催)は、霞ケ浦、土浦湖北、水戸啓明、明秀日立の4校が1位となり幕を閉じた。新型コロナウイルス感染拡大を受け、中止となった甲子園大会と地方大会の代替大会として開催。異例ずくめとなったが、高校最後の夏を駆け抜けた3年生たちは「達成感」の言葉を口にした。

■大金星&躍進
98校、90チーム(合同チーム5)が出場。県北、水戸、県南、県西の4地区ごとに1、2回戦が行われ、勝ち上がった32校で3回戦以降を実施した。各地区とも昨秋の県大会出場校が順当に3回戦進出を決める中、日立商、水戸農、那珂が3回戦に駒を進めた。

3回戦では、多賀が大金星。好投手の一條力真(3年)、菊地竜雅(同)の二枚看板を誇り、昨秋を制した強豪・常総学院を破った。エース神永耀成と捕手・山本琉雅の2年生バッテリーの活躍が光った。水海道二も躍進し、県西地区唯一の8強を果たした。

今大会は雨天順延が相次ぎ、当初の日程がずれ込んだ影響で、5日の準々決勝が最終日となった。準々決勝4試合のうち、2試合が完封試合で、好投手の活躍が光った。

今大会ナンバーワン左腕の呼び声高かった霞ケ浦の山本雄大(3年)は実力通りの力を発揮した。3回戦で5回、4回戦で4回を投げ、いずれも無失点。準々決勝では水城打線に二塁を踏ませず、3安打完封と見事な投球を披露した。

土浦湖北は試合を重ねるたびに勢いに乗った。3回戦では昨夏準優勝の常磐大高を破り、準々決勝はエース大坪誠之助(同)が土浦日大の強力打線をねじ伏せ、零封勝ちした。

明秀日立は最後まで危なげない試合展開を披露した。初戦の2回戦から唯一、全てでコールド勝ちを収め、総合力の高さを示した。

水戸啓明は派手さはなかったが、試合巧者ぶりが目立ち、中央、下妻一、佐和、水海道二の県立校を破った。

■完封は10試合
今大会は延長十回からのタイブレーク制が採用され、大会第1日の下館工-古河二など4試合あった。完封(9回)試合は10試合。本塁打は27本だった。チーム最多は石岡一の4本で、飯岡大政(3年)が2本を放った。コールド試合は全86試合中、32試合だった。

登録メンバーは従来の20人以内の枠が撤廃され、背番号が30番超の3年生が公式戦初安打を放つ姿もあった。感染防止のため、観戦者は限定され、ブラスバンドや応援団の大歓声はなかった。甲子園にはつながらず、準決勝と決勝が行われない大会となったが、選手たちからは「最後に試合ができて良かった」「悔いはない」などと、開催への感謝の声が多く聞かれた。

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