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「お盆帰省諦めた」県外在住の茨城県出身者「うつすの怖い」

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コロナ禍のお盆期間が始まった。ただ今年は古里で感染を広げないよう、県外在住の茨城県出身者には帰省を諦める人たちもいる。

「地元にウイルスを持ち込んだらいけない」。東京・葛西で飲食店を経営する市毛郁哉さん(33)は帰省を見送るつもりだ。いったん新型コロナウイルス感染拡大が落ち着いた当初はお盆に帰るつもりだったが、都内で7月に感染者が200人を超えた頃に断念した。北茨城市の実家からも見送るよう言われた。同市ではまだ感染者は出ておらず、市毛さんは「自分が『1号』にはなりたくない。東京から戻ったというだけで、周囲からも煙たがられるだろう」と漏らす。

同様に東京に残る人は多いとみて、お盆期間中は自身のお店を休まず、帰省しない客に向けた飲み放題キャンペーンを実施する。

千葉市在住で日立市出身の会社員、綿引敏典さん(58)は対応を迷っていた。都内に通勤しており、「これだけ東京で感染がまん延していると、やはり人にウイルスをうつしてしまうのが怖い」と言う。

お盆の帰省を楽しみにしている母親(87)は現在、入院中。病院によるコロナ対策で面会できない見込みだ。家には立ち寄らず、父親の墓参りだけでもできないか、ぎりぎりまで検討していたが、諦めた。墓参は実家の家族に任せる。

感染再拡大が止まらない中も、政府はお盆の帰省は一律に制限せず、重症化リスクの高い高齢者への感染に注意を払うよう喚起している。一方で地方の首長たちからは、帰省について慎重な判断や自粛を呼び掛けるなど、踏み込んだ発言も出た。本県の場合も、都内在住者を対象に県内への帰省の自粛をお願いしている。

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