2020年8月18日(火)

《新型コロナ》苦境の新規事業者 支援わずか 収入伸びず

牛久の就労事業所 綱渡りの運営続く

逆境でも「手を尽くす」と前を向く小島明男代表(右)=牛久市さくら台
逆境でも「手を尽くす」と前を向く小島明男代表(右)=牛久市さくら台

新型コロナウイルス感染症の影響で苦境に陥った事業者に対して、国や自治体は持続化給付金などの支援策を打ち出している。しかし受給条件は「感染拡大以前と比べて収入減」が前提であることが少なくない。今春開業した牛久市の障害者就労支援事業所は、支援が受けられないばかりか、コロナの影響で収入も伸びない「二重苦」に見舞われている。

同市さくら台の就労継続支援B型事業所「ワークサポートにじいろ」は、今年4月にオープンした。県内ではまだ少ない、発達障害者を対象にした事業所。仕事の内容は、同所で販売する総菜・野菜の調理や包装、収益計算、イベント企画まで多岐にわたる。

当初は2月に開業する予定だったが、設備に不備が見つかり遅れた。開業後、まず障害者から就労相談を受ける支援事業所へのあいさつ回りをするはずだった。利用者(障害者)獲得に向けた大切な営業活動だ。

ところがその矢先、本県がコロナの「特定警戒都道府県」に指定。相談支援事業所から「直接来るのは遠慮してほしい」と言われ、十分な営業活動ができなくなった。

何より、利用者自身も外出したがらなくなった。運営には、家賃や人件費などの固定費で月約80万円かかる。赤字にしないために必要な利用者数は、1日当たり最低でも13人。それが4、5月は1人程度。国の緊急事態宣言が解除されて何とか3人まで回復したが、再びコロナが猛威を振るい始め、今後の見通しに暗い影を落とす。

国や県、市の支援も探ってみた。だが国の持続化給付金の対象は、今年開業した場合の「特例」であっても、1〜3月に売り上げがあり、4月以降の1カ月の収入がそれに比べ5割以上減っていることが前提だ。

「にじいろ」の場合、1〜3月の実績はないに等しい。しかもゼロからのスタートなので、わずかだが収入は増えている。結局受け取れたのは、市の事業者支援金20万円だけだった。

運営するNPO法人「にじいろ」代表、小島明男さん(43)は「せっかく理想を掲げ立ち上げたこと。公的な支援は無理でも、さらに手を尽くしていきたい」と、自らに言い聞かせるように語る。

小島さん自身は給与を受け取らず、以前の仕事の退職金を取り崩す、綱渡りの運営が続く。今後さらに車の売却や、クラウドファンディングを行い、当面をしのぎたいとしている。

★就労継続支援B型事業所
障害者総合支援法に基づく就労継続支援施設。B型は利用者(障害者)と雇用契約を結ばず、利用者は作業した分を工賃として受け取る。そのため比較的自由に働けるのが特徴。事業者は利用者の人数に応じて給付を受ける。



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