2020年8月20日(木)

新型コロナで苦境の茨城県内失業者 解雇、雇い止め急増 2カ月で575人増

経済低迷の長期化懸念 「何でもやる」「生活懸かってる」

求人情報を手に取る求職者=水戸市水府町のハローワーク水戸
求人情報を手に取る求職者=水戸市水府町のハローワーク水戸

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、解雇や雇い止めが増加し、失業者はさらに増えそうな勢いだ。茨城労働局によると、県内では見込みを含めて14日時点で802人となり、公表を始めた6月5日時点の227人から約2カ月で575人増加した。20年4〜6月期実質GDPが年率27.8%減と戦後最悪のマイナス成長を記録し、経済低迷の長期化が懸念される。「アルバイトで食いつなぐ」「何でもやるしかない」と苦境にあえぐ失業者たちを取材した。

■「売り上げない」
「良い求人があれば、すぐにも飛び付きたい。生活が懸かっている」

水戸市の元契約社員の女性(48)は6月上旬まで、県内のレンタカー会社に勤めていた。パソコンが苦手で事務職には向いていなかった。洗車や車の回送を担当し、屋外の仕事が好きだった。

新型コロナの影響で3月から利用客が激減した。レンタカーは「眠っている状態」になり、時短営業、出勤者削減が始まった。

雇用契約終了を告げられたのは5月の連休明け。店長から「売り上げもないので」と切り出された。2年働いた職場を離れた。

「収入がゼロになった。今はアルバイトをして生活費をつないでいる」。夫、娘3人との5人暮らし。娘はいずれも学生で学費がかかる。夫の収入が当てにできない事情もあり、家計は苦しい。「嘆いてはいられない。ローンの支払いは待ってくれない」

7月末、ハローワーク水戸を訪れた。事務職の求人には応募しづらかった。同所が開く無料パソコン講習を受け、職探しを続けながら仕事の幅を広げる努力をするつもりだ。

女性は「この状況を自分にとってのチャンスと捉えたい。パソコン操作を覚えたい。やろうと思えば、何でもできる」と前を向く。

■「頼りは自分だけ」
「残念だった。できれば、ずっと勤めたかった」

水戸市の元派遣社員の女性(52)は、ひたちなか市の工場で検査作業に従事していた。接客が苦手で、工場内の仕事が性に合っていた。

新型コロナの影響で中国から部品が入らなくなり、工場の仕事は減っていった。4月ごろに人員削減のうわさが職場で広がり始め、嫌な予感がしていた。その後、6月末での雇い止めを派遣会社から告げられた。

派遣会社は次の職探しに動いたものの、希望する働き口は見つからなかった。「落ち込まないようにしている。苦しいのは自分だけではないと思っている」

娘2人は社会人として独立し、現在は高齢の母親と2人暮らし。「頼れるのは自分しかいない」。貯金はほぼ残っておらず、収入に不安を抱える。

同じ職種を希望するが、製造業への再就職は厳しい状況。「慣れた仕事に就きたくても仕事が選べない。譲れない点だけ重視し、生きるために何でもやるしかない」と自分に言い聞かせる。猛暑の中、ハローワークに通い職探しを始めた。「気持ちをしっかり持っていないと無気力になってしまう。働きたい」

■個別延長給付制度
失業者の支援策として国は、失業後の生活や求職活動の支援のために支払われる雇用保険の基本手当の給付日数を、一定要件を満たせば原則60日間延長する個別延長給付制度を設けている。

ハローワークでは職種転換や職業訓練の案内、個別相談を実施しているほか、電話での職業相談や職業紹介などを受け付け、“コロナショック”を和らげようと尽力している。



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