2020年8月26日(水)

鋳鉄強化の仕組み解明 原子力機構 J-PARCで観測

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日本原子力研究開発機構(原子力機構)は25日、油圧機器や自動車部品などに用いられる鋳鉄(球状黒鉛鋳鉄)が、圧縮などにより強度を増すメカニズムを解明したと発表した。成分の一つ「フェライト」に起きる“しわ”が関連していた。水戸市笠原町の県庁で記者会見を行い、今回の研究成果について「安全性能や寿命の向上につながる鋳鉄の材料設計に生かせる」とした。

東海村村松の大強度陽子加速器施設(J-PARC)、日立建機、京都大との共同研究グループが解明した。成果は既に、7月9日発行の英科学誌にオンライン掲載されている。

実験には、J-PARCの大強度中性子ビームを用い、原子レベルで観測。鋳鉄を引っ張ったり圧縮したり繰り返しながら、同ビームを当てた。

その結果、鋳鉄を構成する成分の一つ「フェライト」の原子配列がずれて“しわ”ができ、しわ同士が絡み合うことで強度が高まることが分かったという。一方で、強度に寄与していると思われた成分の一つ「球状黒鉛」は、ほとんど関わりがなかった。

会見には原子力機構J-PARCセンターのハルヨ・ステファヌス研究主幹らが出席し、「鋳鉄で起きている現象の理解が深まれば、数値計算と熱処理手法の高度化も可能になり、使用環境に適した鋳鉄の材料設計に貢献できる」などと成果を強調した。



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