2020年9月6日(日)

《新型コロナ》茨城県内公立図書館 電子書籍の貸し出し増 ネット利用 外出自粛にマッチ

タブレット端末やスマートフォンから利用できる電子図書館サービス=龍ケ崎市立中央図書館
タブレット端末やスマートフォンから利用できる電子図書館サービス=龍ケ崎市立中央図書館

新型コロナウイルス禍の中、電子図書館サービスが脚光を浴びている。図書館に足を運ぶことなく、インターネットで電子書籍を借りたり返したりできる仕組みが、外出を控える人たちのニーズとマッチした。既に導入する茨城県内公立図書館では、電子書籍数の倍増などの動きも出ている。ただ、導入済みの図書館はごく一部に限られるのが現状。新型コロナ対応を巡る国の交付金が普及の追い風になるか注目される。

■自動で返却
旅行のガイドブックに料理本、子ども向けの学習図書…。タブレット端末やパソコンの画面に本の表紙が表示されていく。龍ケ崎市立中央図書館が提供する電子図書館サービスだ。2015年に始まり、8月末現在で約1万5500タイトルをそろえる。

利用者カードを作り、事前に館内カウンターでIDとパスワードを発行してもらうことで、利用可能となる。画面上でページの拡大も可能で、読み上げ機能が付くものもある。24時間いつでも利用でき、14日間を過ぎると自動で返却される。同時に複数人が借りられないようになっている。

新型コロナの感染拡大に伴い、同館は4月中旬から5月下旬まで休館となった。代わりに電子書籍の人気が伸びたという。感染拡大以前は月平均で100〜200冊程度だった貸出件数は増加傾向となり、8月には557冊に達した。

司書の大山真紀子さん(33)は「図書館まで行かなくとも借りられるためか、関心が高まっていると感じる。図書館としても返却の催促がいらず、省スペース化にも役立っている」と語る。

■普及に力
新型コロナの収束が見えない中で、電子図書館サービスの拡充も打ち出されている。

龍ケ崎市は、1万5千冊程度の電子書籍を新たに購入する方針を固めた。開会中の定例市議会に、関連費用2970万円を盛り込んだ補正予算案を提出した。市教委幹部は「感染の状況次第では再度の休館もあり得る。読書環境の維持は大切だ」と強調する。

潮来市立図書館では、3月30日から5月20日までの休館期間中に、入館の必要がない登録手続き方法を考案。電子書籍のIDとパスワードに加え、利用者カード発行も電子メールや郵送で受け付けるようにした。

そのかいあってか、5月の電子書籍の貸出数は月平均の9倍ほどに相当する883冊にまで増えた。担当者は「ニーズがあることが分かったので、電子書籍をPRする企画も考えたい」と力を込める。

■導入は7市のみ
一方で、市町村により導入に温度差があるのも事実だ。

印刷会社を中心とする電子出版制作・流通協議会によると、7月1日現在、電子図書館サービスを実施する図書館がある県内自治体は、龍ケ崎、潮来のほか、水戸▽土浦▽鹿嶋▽守谷▽筑西の7市にとどまる。

全国では100自治体97館だった。システム導入や図書購入の費用が課題の一つとみられ、県立図書館の担当者も「予算面の都合もあり、可否を含め検討していきたい」との構えだ。

ただ、同協議会は「予算の課題は捉え方次第」とみる。龍ケ崎市が財源に充てる国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用例には、図書館設備の充実化が取り上げられている。同協議会は「茨城県では次第に増えてきているイメージ。まだこれから普及の余地がある」と捉えている。



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