2020年9月11日(金)

「霞ケ浦キャビア」期待 チョウザメ育成順調、新たな産業創出も 行方の県水産試験場

魚類飼育実験棟の内覧会で、チョウザメの研究状況について説明を受ける関係者ら=行方市玉造甲
魚類飼育実験棟の内覧会で、チョウザメの研究状況について説明を受ける関係者ら=行方市玉造甲

行方市玉造甲の県水産試験場内水面支場で、チョウザメの飼育・研究が行われている。塩漬けにしたチョウザメの卵はキャビアと呼ばれ、世界三大珍味の一つに数えられるほか、肉も食用として用いられている。県で飼育している2歳魚は通常の倍以上のスピードでの育成に成功しているといい、新たな産業の創出が期待される。

同支場でチョウザメの養殖が始まったのは2018年。県漁政課によると、県南地域でチョウザメ養殖の取り組みが行われていることなどから研究が始まったという。現在は、最高級のキャビアが取れるというオオチョウザメと、成熟が早いコチョウザメを掛け合わせた「ベステル種」など、約200匹を飼育している。

チョウザメの養殖の課題の一つは、コストの高さ。一般的に、ベステル種からキャビアになる卵を採取するのに10年程度かかるといわれ、さらに、雌雄の判別が可能となるまで生後3〜4年かかる。そのため、同支場では、餌やりや飼育の密度などに変化を加え、生育の早さや品質保持にどのような影響を与えるか研究を進めている。

このうち、ベステル種の2歳魚は通常の倍以上のペースで成長しており、すでに雄は性成熟も確認されているという。飼育担当の丹羽晋太郎主任(37)は「国内では、誰も見たことがないペースで育っている」とした上で「再現性を確認して技術の確立につなげたい」と話した。

同支場では昨年度から本年度にかけ、研究棟と魚類飼育実験棟の2棟が完成。これにより、新たに魚の病気の検査を素早く行えるほか、より高度な遺伝子レベルの研究も可能になった。

8月に行われた2棟の完成式には大井川和彦知事も出席。順調な生育状況についての説明を受け「『霞ケ浦キャビア』で世界を制覇したい」と意気込んだ。

丹羽主任によると、今後は高成長と卵の生産時期の関連が焦点になるといい「この研究が、茨城の内水面に注目が集まるきっかけになれば」と話した。



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