2020年9月13日(日)

茨城県が戦略的販売、PR展開 高級路線にシフト ナシ・恵水、銘柄豚・常陸の輝き

知名度向上が課題

5玉限定で販売した「幻の恵水」
5玉限定で販売した「幻の恵水」

茨城県産農産物のブランド力を高めようと、県はナシのオリジナル品種「恵水(けいすい)」と銘柄豚「常陸の輝き」の販売を高級路線へ転換している。いずれも初出荷からまだ日が浅く、知名度向上が課題のため、高級料理店への供給や選別による高値販売など高級品としてのイメージ定着を図る。戦略的な販売とプロモーションを展開し、農業産出額全国3位の農業県としての底力を示したい考えだ。

■“幻”の大玉

「ブランド力は大切。恵水の名を全国的に広め、収入増につなげたい」。県梨組合連合会の岡野孝雄会長は、恵水の高値販売に期待を込める。

恵水は2016年に出荷が始まった。当初1.6トンだった出荷量は、昨年21.1トンまで増えるなど年々拡大傾向が進む。価格も順調に上昇している。県産地振興課によると、昨年の市場平均単価は1キロ当たり520円で、豊水に比べ約1.7倍ほどの高値が付いた。

県は恵水のブランド力向上を狙い、昨年9月に都内の高級果実専門店「京橋千疋屋」でフェアを開催、1週間の限定販売で150個を完売した。また、「1万果に1果」(県販売流通課)といわれる1キロ以上、糖度14%以上の大玉を「幻の恵水」として1玉8640円で売り出すなど、「とがった戦略」(同課)を展開する。

今年はこの取り組みを継続させるとともに、冷温貯蔵による4カ月の長期保存が可能な特長を生かした販売戦略も打ち出す。年末のお歳暮商戦を見据えた贈答向けとして売り出し、日本一のナシとしての地位確立を目指す方針だ。

■“究極”の料理

県内のホテルやレストラン計13店舗で今月1日、「常陸の輝きメニューフェア」が始まった。30日までの1カ月間、和洋中のオリジナル料理を提供している。生産者らでつくる、常陸の輝き推進協議会の倉持信之会長は「エンドユーザーを増やしたい」と意気込む。

常陸の輝きは18年に販売が始まったばかりの新ブランド。このため、全国的な知名度は「まだまだ」(倉持会長)。県は認知度向上を課題として位置付け、販売戦略を探る。

その一つが高級路線へのシフトだ。昨年から、都内のミシュラン二つ星レストランなどで食材として提供し始めたほか、今年は都内の豚肉専門の高級料理店と連携し新メニュー開発に取り組む。ロースの芯部分だけを使った「究極のとんかつ」を限定メニューとして販売する計画だ。

県畜産課によると、常陸の輝きの生産頭数は昨年7061頭。今年は1万頭の出荷を見込む。それでも、県内産豚全体の1%にとどまり、生産拡大はもう一つの課題だ。同課は「高品質な豚肉を安定供給するための生産体制を構築する必要がある」としている。

★恵水
県農業総合センターが「新雪」と「筑水」を交配して育成したナシの県オリジナル品種。2011年に品種登録し、16年から出荷が始まった。果実が600グラム程度と大玉で収量性が高いほか、糖度も13%程度と甘みが強く酸味が少ないのが特徴。

★常陸の輝き
県が開発した「ローズD-1」を交配して生産した三元豚。乳酸菌やビタミンEを添加するなどの基準を設けた飼料で育てられ、一般の豚肉より柔らかく、うま味や香りが高いのが特長。ロース内の脂肪含有量4.0%を基準としている。

2018年から出荷が始まった県銘柄豚「常陸の輝き」
2018年から出荷が始まった県銘柄豚「常陸の輝き」


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