2020年9月29日(火)

選択的夫婦別姓 茨城県内9市町村議会 意見書可決相次ぐ

法制化へ「一歩ずつ」

阿見町役場=同町中央1丁目
阿見町役場=同町中央1丁目

選択的夫婦別姓の法制化を求める意見書の可決が茨城県内の市町村議会で相次いでいる。これまで9市町村で可決され、全国でも140カ所の府県議会、市区町議会に広がった。別姓や通称(旧姓)使用の当事者らが請願や陳情し、党派を超えた議員が賛同しているのが特徴だ。法制化は数十年来の課題だが、国会で何度も議論されながら見送られ実現には至っていない。支援団体は「一歩ずつ前進して理解を広めていければ」と期待している。

請願の趣旨は、別姓が法的に認められない中、改姓によるアイデンティティーの喪失やキャリアの分断が生じるため、通称使用や事実婚を選ばざるを得ない人が増加。家の姓を守るため結婚できない人もいるとして、法的選択肢に別姓を用意してほしいという内容。2018年の内閣府の世論調査では制度導入に賛成・容認の意見が反対を大きく上回った。先進諸国では夫婦同姓の義務化は日本だけという。

各市町村議会では、国に制度導入を求める請願・陳情の採択、請願に基づく意見書が可決されている。19年3月のつくば市議会を皮切りに、取手、牛久、龍ケ崎、守谷、つくばみらいの6市で可決。この9月議会でも土浦市、阿見町で可決、28日には鹿行地域初の鹿嶋市で可決された。

意見書は首相や衆参両院議長、法務大臣などに各議長名で提出される。

25日の阿見町議会では、党派を超え全会一致で可決された。難波千香子副議長(公明)は「個人の人権を大事にし、困っている人がいれば変えていくことが大事」と話し、自民系無所属の樋口達哉議員は「事前の勉強会で理解を深め、前に進もうと考えた議員が賛同した。地方から提案していければ」と語った。

選択的夫婦別姓・全国陳情アクションによると、全国では25日時点で、140カ所で可決。都道府県では神奈川、三重、大阪、滋賀の4府県議会が可決し、残りは市区町議会だ。同アクションのほか、多様な団体や個人が請願を提出し、議員提案で可決する例(東京都葛飾区)もある。

国会では保守系で「伝統的な家制度が崩れる」と法制化には慎重な意見が根強い。一方、与党内でも女性や若手議員を中心に前向きな意見が増えている。

同アクションの井田奈穂事務局長は「政治イデオロギーの問題ではなく、生活や仕事上の困り事の話という訴えが浸透しつつある。意見書を一つずつ積み上げて国会に声を届けたい」と見据えた。



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