2020年10月1日(木)

茨城県内4ダム AIで事前放流判断 洪水回避へ貯水位分析

AIによる流入量予測に基づいた事前放流のため、藤井川ダムのゲートの試行操作を行う担当者=城里町下古内
AIによる流入量予測に基づいた事前放流のため、藤井川ダムのゲートの試行操作を行う担当者=城里町下古内

茨城県内の既存ダムの洪水調整機能を強化するため、県は人工知能(AI)による予測で事前放流を判断する新たなシステムを導入した。国の雨量予測データを基にダムへ流れ込む水量を計算することで、事前放流の必要性や洪水調整のための貯水位などを的確に分析、緊急放流の回避につなげる。

事前放流は台風や豪雨などで河川氾濫が予測される際、貯水容量の確保を目的として行う治水対策。ダムの水を事前に流して水位を下げ、緊急放流を回避することで洪水を防ぐ取り組みだ。ただ、利水のための貯留分を放流することから、想定した降雨や流入がなかった場合には取水制限などにもつながりかねない。

一方、事前放流が不十分だった場合は洪水調整のための容量が不足し、十分な機能が果たせないリスクをはらむ。このため県は、豪雨や台風による被害が想定される際に、AIを活用してダムへの流入量を事前に計算するシステムを構築、的確な事前放流が可能となる体制を整えた。

新たなシステムでは、国土交通省が3日前から提供する1時間ごとの雨量予測データを活用する。このデータをダムごとに記録された過去の洪水被害実績とともに分析し、各ダムに流入する雨量を予測。予測水位が、緊急放流が必要となる「異常洪水時防災操作開始水位」を超えると判断した場合は、事前に貯水位を下げる。

県河川課は「事前放流の必要性だけでなく、どこまで水位を下げるかも的確に判断することができる」と特徴を説明する。

導入したのは、県が管理するダム計7施設のうち、放流ゲートを備える藤井川ダム(城里町)▽竜神ダム(常陸太田市)▽水沼ダム(北茨城市)▽花貫ダム(高萩市)の4施設。県は9月末から実際に運用を開始。同22日に関東地方へ接近した台風12号の際には、藤井川ダムで予測に基づいた事前放流の運用も行った。

また藤井川ダムでは同28日、新システムの試行操作も実施。台風を想定してAIが予測した流入量に基づき、管理事務所の担当者が必要な貯水位の確認や実際に事前放流する様子などを報道陣に公開した。

これまでの事前放流は気象庁の総雨量予測に基づき判断してきたため、実際に求められる洪水調整のための容量と差が出ることもあった。同課の担当者は「1時間ごとにより精度の高い事前放流が行えることになる」とした。



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