第26回天心記念茨城賞の授賞式が26日、県庁で開かれ、受賞者の川崎麻央さん(33)=東京都荒川区=に賞状と副賞50万円(目録)が贈られた。川崎さんは「評価していただき素直にうれしい。支援を糧に、今後も貪欲に努力していきたい」と謝辞を述べた。

川崎さんは島根県出身。東京芸大大学院博士課程修了。現在は同大で日本画の非常勤講師を務めている。受賞作「白兎予祝(はくとよしゅく)」は、日本神話「因幡(いなば)の白兎(しろうさぎ)」が題材。大国主に助けられたウサギが、幸せな予言をするという場面を創作した。

川崎さんは「新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、悩みや焦りを感じたが、苦労が報われた。発表の場があることの『ありがたみ』を感じた。作家活動を楽しんでいける勇気をもらった」と感謝した。

同賞は日本画の代表的な公募展・再興院展(日本美術院主催)の賞の一つで、将来を嘱望される日本画家に贈られる。県天心記念五浦美術館(北茨城市)の建設を記念し、県が1995年に創設した。今回の受賞作品は再興院展の巡回展終了後、県に寄贈される。