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二地域居住に地方期待 国と自治体が協議会 テレワーク普及で活性化、移住の転機に

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都市部住民が地方との両方に生活拠点を持つ「二地域居住」に自治体が関心を寄せている。新型コロナウイルス禍に伴うテレワークの普及で、居住地の選択肢が多様化しているからだ。地方にとっては都市部と行き来する「関係人口」の拡大により、活性化や将来の定住が期待できる。地域をまたいだ暮らし方を進めようと、国や自治体が協議会をつくり、茨城県からも19市町が参加した。

3月、国土交通省を事務局に「全国二地域居住等促進協議会」が設立された。全国601の道府県・市町村や関係29団体で構成される。二地域居住に関する施策や事例、課題の共有、政策提言が狙いだ。

オンラインによる設立総会で、赤羽一嘉国交相は「コロナ禍のテレワーク普及などで働き方が変わり、住まい方にも変化が出ている。二地域居住の施策はまだまだこれからで、諸課題に対する提案や要望を頂き、国の政策立案に生かしたい」と期待した。

実際に、東京都は今年2月まで8カ月連続で人口流出に当たる「人口超過」状態。テレワーク導入で、仕事部屋を確保するため、地方のより広い住宅を求める傾向が強まった影響とみられる。

特に首都圏域の茨城県は二地域居住をしやすい立地と言える。全国の移住相談窓口を備えるNPO法人・ふるさと回帰支援センター(東京)によると、移住希望地ランキングで茨城県は過去5年間、上位20位に入っていなかったが、2020年は窓口相談者のアンケートで12位に躍進。相談件数は前年比で2倍近く増えた。

自治体はこれらの状況を、人を呼び込む転機と捉えている。

協議会員の笠間市は滞在型市民農園「笠間クラインガルテン」があり、週末の田舎暮らしを求めて都市部から人が訪れている。市担当者は「もともとある素地を生かし、新たな人の流れをつくり、いずれは移住につなげたい」と語る。

同じく会員の大洗町の担当者は「観光地や休暇先でテレワークする『ワーケーション』が注目される中、関係人口を増やす取り組みを強化したい」と話す。町内ではコロナ禍以前からワーケーションの動きが見られ、最近では共有オフィス(コワーキングスペース)で働きながら、東京にも出勤する住民がいるという。

設立総会で講演した筑波大の谷口守教授は、コロナ禍を機に「地方にいながら東京にもたまに行くような、地方偏重の新しい二地域居住が増えるのでは」と見解を示し、拡大には「居住を前提としないなど考え方を緩和して、緩いくくりでの議論が必要」と述べた。

全国二地域居住等促進協議会に参加する県内自治体は以下の通り。

水戸市、土浦市、古河市、龍ケ崎市、下妻市、高萩市、北茨城市、笠間市、取手市、牛久市、ひたちなか市、筑西市、坂東市、桜川市、行方市、鉾田市、茨城町、大洗町、八千代町

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