2021年4月28日(水)

その潮干狩り大丈夫? (下)
《連載:その潮干狩り大丈夫?》(下) 法律違反 レジャー、密漁注意 場所や道具、ルール順守を

潮干狩り客が使用していた漁具の柄の長さを測る茨城海上保安部職員。県内では50センチ未満の漁具のみ使用が可能=4月中旬、大洗町大貫町の大洗サンビーチ
潮干狩り客が使用していた漁具の柄の長さを測る茨城海上保安部職員。県内では50センチ未満の漁具のみ使用が可能=4月中旬、大洗町大貫町の大洗サンビーチ

潮干狩りは気軽に楽しめて3密を回避できるため人気を集める半面、落とし穴もある。場所や道具に関するルールを守らないと、密漁になってしまうからだ。茨城海上保安部は、使用可能な道具や指定場所に関して案内し、5月の大型連休に向けて「レジャー密漁」にならないよう注意を促している。

■四つの「制限」

4月初旬、親子が大洗サンビーチでバケツに大きなハマグリをずっしり入れていた。「小さな貝は採らないようにしている」と話したものの、使える道具や採取量に制限があることは知らなかった。

県内での潮干狩りには四つのルールがある。一つは区域だ。茨城県沿岸の鹿島灘は4カ所の海岸に限定。大洗地区(大洗町)は第1、第2サンビーチのみ許可している。南側の第3サンビーチは含まれず、漁業権が発生する場所もある。

二つ目は量。1人当たり1日1キロまでとなっている。三つ目は大きさ。3センチ以下のハマグリは採取禁止だ。四つ目は道具の制限。使用できるのは幅20センチ未満、柄の長さ50センチ未満、爪の長さ5センチ未満で、網が付いているものは禁止となる。違反すると、漁業法など法令で罰せられることがある。

■思い出台無し

県漁政課によると、2015年からの5年間に、県内潮干狩り客の摘発は計163件。全てがハマグリを採りに訪れた一般客だった。

茨城海保によると、19、20年には、水戸市や前橋市からの客が、禁止されている熊手に似た漁具「は具」を使用したり、3センチ以下のハマグリを採ったりして摘発され、10万円の罰金を払う結果となった。今月4日には、1トン余りのハマグリを密漁しネットオークションで販売した容疑で、男性2人の関係先を家宅捜索した。

同海保は、見回りを強化して密漁者を取り締まる。今月中旬の巡回では、漁具の柄や爪の長さについて注意喚起。石岡市の夫婦は許可されていない漁具を使用し、「禁止とは知らなかった」と弁明を繰り返した。規定より長い柄の漁具を使った男性には、採った全てのハマグリを放流するよう求めていた。

同海保警備救難課の松山哲郎課長は「遊びに来た潮干狩りで摘発されたのでは、いい思い出も台無しになる」として、「レジャー密漁」に警鐘を鳴らす。

違反の種類によっては罰金刑となり、前科が付く可能性もある。松山課長は「気軽にできるからこそ気を付けてほしい」と語る。

■漁業者の痛手

大洗町漁業協同組合によると、現在、大洗で採れているハマグリは、2014年に大量発生した。以降、大きな発生は見られていない。人が入りづらい場所に稚貝を放流しているものの、許可された場所以外で採られてしまうと漁業関係者の痛手となる。

臼庭明伸参事は「ハマグリも限りある資源の一つ。将来の食と未来の漁業者のために、皆で守っていきたい」と願いを語った。



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