2021年5月6日(木)

水戸の千波湖でワカサギ産卵 茨城高・中の生物部が確認 毎月1回定期調査 卵持つ雌の個体発見

ワカサギを確認した茨城高校・中学校の生物部の魚類班の部員ら=水戸市八幡町
ワカサギを確認した茨城高校・中学校の生物部の魚類班の部員ら=水戸市八幡町

茨城高校・中学校(水戸市八幡町)の生徒たちが、同市の千波湖でワカサギの産卵を確認した。同校生物部は30年余りにわたり毎月1回、千波湖の定期的な調査を実施。ワカサギについては、昨年12月に約30匹、今年1月に約100匹の魚群、3月20日に卵を持った雌の個体を見つけた。39代目部長の安田恒さん(17)=高校3年=は「ワカサギの大きさの魚が繁殖していることは驚き。千波湖に大小限らずさまざまな魚がいて、豊かになっている」と話す。

同部は高校生20人、中学生37人の計57人で構成。魚類班や鳥類班、プランクトン班など五つの班に分かれ、千波湖の変化を調査している。2014年には水質の悪化から、千波湖では姿を消したと思われていた藻類の一種、シャジクモの休眠胞子を湖底の泥から見つけ、発芽に成功させるなどの実績を持つ。

同部のこれまでの調査では、千波湖のワカサギは01年に初めて確認し、翌年以降も確認していたが10年3月を最後に未確認。水戸市がこれまで行ってきた生物調査でも、01年に南岸でワカサギ1個体を確認していたが、生息している魚として捉えられていなかった。

◆ビオトープに群れ
一方、県環境アドバイザーの川島省二さん(56)は13年4月に南岸ハナミズキ広場のビオトープで、数百匹のワカサギの群れが湿地植物と水辺の間を回遊する姿を見つけた。川島さんによると、これ以降も毎年3、4月にワカサギの産卵を確認しているという。

千波湖では、11年から市民団体の千波湖水質浄化推進協会と、周辺でホタル再生活動を展開している逆川こどもエコクラブが年1回、ヨシ原の再生などに取り組んでいる。

ビオトープは、千波湖に流入する湧水(ゆうすい)の窒素分を植物に吸収させて軽減させようと、12年10月、イグサやセキショウなどの湿生植物を植えて整備された。ワカサギの産卵について、川島さんは「生物多様性で産卵場所ができたことや、水質浄化の取り組みの成果」と分析。冬に遡上(そじょう)したワカサギが、備前堀に水を送るため柳堤堰(ぜき)(ラバーダム)が倒立して千波湖と桜川の水位が等しくなり、千波湖に入ったと推測。通常ワカサギの産卵時期は1、2月だが「産卵できる湿地植物があり、卵を産み付けて定着したのでは」と見ている。

◆変化する自然
同部の調査では、昨年12月に千波湖西岸で約30匹、今年1月に約100匹の魚群を確認。さらに3月に魚類班が卵を持った雌と産み付けられた卵を見つけたことで、ワカサギが千波湖に生息する魚として認識を新たにした。

同部初代部長でもある、顧問の檜山俊彦教諭(53)は「千波湖でワカサギが増えている可能性はないと思っていた。産卵など確認したことで、自然が変わっていく様子を知ることができた」と活動を見守る。

同班長の保苅悠太さん(17)=高校3年=は「千波湖全体の生態系の変化を見ていきたい」、安田さんは「同じ場所に居続けるのか重点的に探していきたい。卵がふ化し、成魚になったワカサギも取れるのか興味がある」と今後の調査にも力を入れる考えだ。

千波湖で茨城高校・中学校生物部が確認した雌のワカサギ(部員提供)
千波湖で茨城高校・中学校生物部が確認した雌のワカサギ(部員提供)


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